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10年前、長谷部誠が語っていた「アウェイの教訓」とは… ザック、ハリルでも勝てなかった“ホームのオーストラリア”との激闘譜
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/03/23 17:03
2012年6月、敵地ブリスベンで行われたアジア最終予選のオーストラリア戦。数的優位を得ながらも勝ち切れず、キャプテンの長谷部誠は試合後に「教訓」ともいえる言葉を残した
ハリルホジッチ監督は82分に小林を下げて清武弘嗣を、84分には本田に代えて浅野拓磨を送り込む。アディショナルタイムには原口をベンチへ戻し、DFの丸山祐市をそのまま右MFに置く。本田と小林を下げたなかで改めて高さ対策をし、勝ち点1を持ち帰ることにつなげた。
左SBで先発した槙野智章は、「監督からは守備、守備、守備と。相手の良さを消すところで特徴を発揮してほしいと言われていました。チーム全体で守備の組織はできていたのかなと思います」と話している。ポステコグルー監督のもとでポゼッション志向を強めたオーストラリアに対して、日本はアウェイらしく守備意識を強めて挑んだ。「相手は15年アジア杯のチャンピオン。たくさんのリスクは取れない」とはハリルホジッチ監督の弁だが、1対1のスコアは4年前と同じでも、試合内容は明らかに異なっていた。
10年前、長谷部誠が語っていた「アウェイの教訓」
最終予選では初めてとなるアウェイでの勝利をつかめば、森保一監督のチームはW杯出場を決めることができる。勝ち点3差をつけているだけに引き分けも許容範囲内だが、負ければ得失点差でグループ3位に転落してしまう。
日本は酒井宏と大迫勇也を欠くが、オーストラリアも主力の欠場が予想されている。両チームともにメンバー編成に頭を悩ませているが、W杯出場を賭けたビッグマッチだ。どちらのチームにとっても難しいゲームになるのは間違いなく、日本は今回もタフなシチュエーションで初勝利を目ざすことになる。
3月24日の決戦に挑むチームには、12年の対戦後に長谷部が語った言葉が当てはまる。ほぼ10年を経た現在も、日本が生かすべき教訓と言える。
「アウェイで勝つには、細部を突き詰める必要がある」
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