サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
《絶体絶命の日本代表》大一番の森保采配は驚きの連続だった…記者が目撃した“チームが一体感を取り戻した”瞬間
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2021/10/13 17:03
絶体絶命の大一番でオーストラリアに勝ち越した日本代表。手にしたのは、貴重な勝点3とチームの一体感だった
日本のベンチは猛烈に反応した。森保監督やスタッフだけでなく、ウォーミングアップをしていた選手たち、交代した選手たちがPKではないことを主張し、VARでの確認を求めた。
ここから先はもう、ベンチも超臨戦態勢だった。日本のプレーに拍手し、声をあげて鼓舞し、主審の判定に反応する。座っている者などいない。許されるのならいますぐにもピッチに入りたい、自分も戦いたい、という思いがあふれ出ていた。86分に決勝点が決まると、浅野を中心に歓喜の輪が爆発した。控え選手もピッチへなだれ込んだ。
森保監督は「選手たちが試合に出られる、出られないに関係なく、練習から自分のやるべきことを一生懸命やってくれる。そして、チームのために戦おうという姿勢を見せてくれた」と話したが、ここまで気持ちが前面に出たのは初めてだったと言っていい。ベンチメンバーも含めたチーム全体が、勝つためには何が必要なのかを全身で感じ取ることができただろう。
流れは変わっている。自分たちで変えた。
オーストラリアを退けたとはいえ、日本が何かを手にしたわけではない。W杯にストレートインできる2位以内を確保するためには、負けられない戦いが今後も続く。
道のりはなおも険しい。
だが、流れは変わっている。自分たちで変えた。
ここから先は、これまでと違う日本が見られるはずだ。
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