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〈中村憲剛が招集メンバーを徹底分析〉久保と古橋、伊東もいない…日本代表は“強敵”サウジ&豪に勝てるのか?
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2021/09/29 17:07
10月のW杯最終予選(vsサウジアラビア、オーストラリア)に臨む日本代表メンバーが発表された
また、9月の2試合で感じられた海外組のコンディションや試合勘への不安は、ここまでの1カ月でそれぞれがリーグ戦やカップ戦を消化して解消されている印象があります。コンディションは確実に磨かれている、と判断していいでしょう。
中村憲剛氏が注目する「2人の選手」
アーセナルに加入した冨安健洋も、いきなりハイパフォーマンスを披露しています。左センターバックが定位置の代表とは違って、クラブでは右サイドバックで起用されていますが、前所属のボローニャでも同じような状況だったことがあります。ポジションの違いは、不安材料にはならないでしょう。
選出がニュースになった田中碧も、新天地のデュッセルドルフで試合出場を続けており、コンディションは良好だと考えられます。この厳しい最終予選のなかで、新しい風を吹かせることができるのか。そこを期待されての選出だと思います。
前線は大迫勇也、オナイウ阿道、浅野拓磨が選出!
前線のメンバーを見ると、色々な戦い方ができそうだなとの期待を抱かせます。9月はFWが大迫勇也と古橋のふたりだけでしたが(南野が怪我のため途中離脱、それに伴ってオナイウが追加招集)、今回は大迫、オナイウ阿道、浅野拓磨の3人が選ばれました。浅野はMF登録ですが、森保監督はFWでの起用も念頭に入れていることでしょう。そういう意味では、9月よりもバリエーションを増やすことができるはずです。
オナイウはトゥールーズで絶好調です。僕自身の経験で言うと、クラブでいまひとつ乗り切れていなくても、代表へいけば精神的に切り替えることができるものです。そうは言っても、クラブで勢いに乗ったなかで合流したほうがいいことは間違いない。ポジティブな空気は、周りにも伝わります。いまのオナイウは、まさにそういった選手と言えるでしょう。
南野拓実が戻ってくるのも大きいですね。リーグ戦で出場機会を得られないなかで、カップ戦で起用されて2得点をあげました。簡単ではないシチュエーションだったはずですが、しっかりと結果を残したのは本人にとっても大きかったと思います。
代表発表当日のチャンピオンズリーグでも、後半途中からピッチに立ちました。この流れで週末のリーグ戦にも出場してチームに合流すれば、さらに良いコンディションでサウジ戦に臨めるでしょう。これは日本代表にとっても非常に大きいと思います。