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甲子園で物議《8回途中…“降雨コールド決着”で良かったのか?》 敗れた東海大菅生監督は「ルールなんで仕方ないです」 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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posted2021/08/17 20:00

甲子園で物議《8回途中…“降雨コールド決着”で良かったのか?》 敗れた東海大菅生監督は「ルールなんで仕方ないです」<Number Web> photograph by KYODO

8回表東海大菅生1死一塁。ぬかるんだグラウンドで打球を処理する大阪桐蔭のショート藤原夏暉。試合はこのあと降雨コールド決着(7-4で大阪桐蔭の勝ち)となった

 ただ、昨今の異常気象や新型コロナウイルスの感染拡大による影響のなかで、主催者がとるべきは過去の事例に従い続けることだけではなくて、フレキシブルな対応ではなかったか。

 前回のコラムではナイター開催となった日程を評価。今後もこうした対策は歓迎するというコラムを書いたが、様々な状況に応じてルールを変更していくべき時期に来ているのかもしれない。

 例えば、大会第3日(12日)の第1試合の帯広農―明桜は4回を終えて、明桜が5−0とリード、先発・風間球打は4回無安打無得点に抑えていたが、雨のためにノーゲーム。

 3日後に試合を一からやり直して明桜は勝利したが、ノーゲームになった日の球数もカウントされることになった。これに対し、ノーゲームで試合をやり直すのではなく、サスペンデッドとして扱い、続きから試合をやるべきだったという意見は少なくない。これは球数制限という新ルールができたからこそ、とるべき措置でもある。

「サスペンデッド」や「ベスト8で打ち切り」の選択肢

 この日の大阪桐蔭と東海大菅生も雨がますます強まった7回から試合が一転して、本来の力量が測れないものになっていたのは明らかだった。この時点で試合を決着してしまうのではなく、8回からの2イニングだけをあらためてやるという可能性も考慮するべきではなかったか。

 今大会は試合の順延が続くが、今後も天候の不安定さは否めない。この日の時点で、決勝は史上最も遅い8月28日が予定されており、大会をいつまで延長できるかも未知数な状態になってきた。

 先にも書いたように、今日のような雨予報でも試合を決行した背景には日程消化の懸念がある。「大会を終える」こと自体が優先順位の第一になり、この日の決行につながっている。一方で、選手の健康面を考慮して設定された休養日は続々と削られ、選手の心身については後回しになっていることも気がかりだ。

 イレギュラーなことが続くなかで、これからも過去の事例のままに大会を遂行していくのか。それとも、新たに(雨天)サスペンデッドやベスト8での大会打ち切りを視野に入れるのか――。選手の体調面を考慮しプレイヤーズファーストを軸にした新たな対策が求められているのではないだろうか。

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