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《高校野球》神奈川はいつも完売? スカウトも見る“地方大会のパンフレット” 充実の出来は新潟と長崎、大阪は…
posted2021/08/09 17:01
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph by
Sankei Shimbun
2年ぶりとなる全国高校野球選手権がいよいよ開幕する。東京五輪同様、無観客での開催となるが、球児たちの白熱したプレーを期待したい。
大会はここから約2週間にわたって進んでいくのだが、筆者のようにドラフト候補や将来のプロ野球選手をメインに追いかけている立場からすると、最も慌ただしいのは、むしろ“その前の地方大会”の時期である。
毎年見ておくべき注目選手に優先順位をつけて全国の地方大会を回る計画を立てるが、予定通りに進むことは100%ない。
本大会も台風の影響で1日順延してのスタートとなったが、地方大会なんて梅雨の影響で日程がずれることは日常茶飯事。思わぬところで敗退するチームも当然出てくる。なるべく効率良く回ろうと考えていても、結果としては現地で見られるのは最初にリストアップした選手の5~6割程度だ。
もちろん夏までの秋季大会、春季大会でチェックしている選手も多いが、最後の夏に一気に伸びてくる選手も多いだけに、高校生のドラフト候補を完璧に網羅するというのは至難の業でもある。
各都道府県が発売するパンフレット
さて、そんな地方大会巡りで欠かせないアイテムとなるのが、各都道府県の高野連が発売している大会パンフレットだ。それぞれ工夫した企画や選手のデータが掲載しているため、記事制作や取材前の情報収集にとても役立っている。
だが、これが地域によって実に特色が異なっていることはあまり知られていない。そこで今回は、地方大会のパンフレットにスポットを当ててみたいと思う。
この夏、筆者が訪れたのは、以下の17地域の大会である。
(北から)青森、岩手、茨城、群馬、千葉、埼玉、神奈川、東東京、西東京、新潟、長野、愛知、大阪、和歌山、島根、福岡、長崎
東東京と西東京は1冊にまとまっており、大阪大会はパンフレットの発売がなかったため、手に入れることができたのは合計15冊だった。