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苦戦の三笘は“ほぼ当確”か? 激戦の東京五輪メンバー「勝ち残った選手」と「当落線ギリギリにいる選手」とは 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2021/06/13 17:03

苦戦の三笘は“ほぼ当確”か? 激戦の東京五輪メンバー「勝ち残った選手」と「当落線ギリギリにいる選手」とは<Number Web> photograph by JIJI PRESS

12日のジャマイカ戦で東京五輪メンバー選考マッチが終了した。発表される瞬間まで、当落ライン上で多くの選手がその座を狙っている

 三好はA代表との試合に出場したが、後半28分に堂安と交代した。個での突破で打開を見せようと気持ちが入っているのは見てとれたが、ほとんどチャンスを作れなかった。実際、「点が取れていないですし、チャンスを作れていなかったのは自分の力不足です。結果という部分でシビアに考えるとまだまだ足りていない」と反省を口にしている。置かれている状況の厳しさを肌で感じていたのだろう。次の試合に向けて、「自分の力を示していくだけ」と巻き返すべく、静かに闘志を燃やしていた。ガーナ戦は出番がなく、ジャマイカ戦は後半30分、堂安に代わって出場した。ラストチャンスとばかり、ギラギラしたものは感じたが、個の突破も周囲との連携も結果にはつながらなかった。

 食野はガーナ戦で途中出場、ジャマイカ戦は久保に代わって後半20分に出場している。ガーナ戦もそうだが「元気印」が爆発するようなプレーが見られない。やりにくさを感じているわけではないだろうが、「自分がやらないと」という意識が強すぎて、少し空回りしていた。ジョーカーとして結果を生み出す期待感は、前ほどは感じられなかった。

FW)残りの「1枠」を争うのは…?

 FWは、上田以外の3人の争いになっている。

 田川亨介はA代表との試合にスタメン起用された。「スピードで背後に抜け出す部分とアグレッシブに戦うことが自分の持ち味」と語り、意欲的にプレーしたが、「決めていれば……」という前半21分の決定機を外すなど、存在感を示せず、後半12分、林大地と交代した。スピードがあるのでFC東京ではサイドMFとして起用されているが、スペースがないと田川の良さは活きない。そういう意味で1トップの役割を果たすのは、彼の個性を活かす意味で難しい気がしてしまう。

 林は、A代表との試合で後半12分から出場。ゴールへの気迫を見せるもA代表の壁を打ち破れず、アピールとはまではいかなかった。アルゼンチン戦は、瀬古からの縦パスを受けて素晴らしいゴールを決めて一発勝負に強いところを見せたが、今回はアピールして加点とまでいっていない。気持ちの強さは国際試合向けだが、それだけではメンバー入りは厳しい。ガーナ戦、ジャマイカ戦という大事な2試合での出場機会ゼロは、林の置かれた状況を雄弁に語っている。

 前田は、ガーナ戦、後半22分に上田に代わって出場したが、自分の良さを発揮できずに終わった。スペースがあるとスプリント力を活かした突破を見せるが、そういうシーンはほとんどなかった。

 また、チームが25本ものシュート打っている中でシュート数が「ゼロ」というのも気になるところだ。ジャマイカ戦ではスタメン起用されるも、開始早々の決定的なチャンスを立て続けに2本外すなど、シュートの精度にも課題を残した。だが、スピードは魅力だ。

【次ページ】 力があっても落選する…「五輪代表」の厳しさ

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