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『キン肉マン』作者が還暦で柔術習得中! 「もういらんと言われるまで続けたい」【全キン肉マニアが泣いたエピソード秘話も】

posted2021/04/27 11:00

 
『キン肉マン』作者が還暦で柔術習得中! 「もういらんと言われるまで続けたい」【全キン肉マニアが泣いたエピソード秘話も】<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

『キン肉マン』作者である嶋田隆司氏(左)とジム代表の宮川博孝氏。選手や自身の体験を作品にも生かしているという

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 長寿人気マンガの主人公・キン肉マンの家が田園調布にある(という設定)なのはよく知られているが「キン肉マンのジム」は実際に高円寺にある。1月29日の金曜日、日本記念日協会が認定する“キン肉マンの日” にオープンした「TEAMゆでたまごSHIMADA presents 格闘技ジムMYD」だ。

 代表は総合格闘技イベントDEEPなどで活躍してきた宮川博孝。旧知の宮川からジムを出したいと相談され、『キン肉マン』の作者ゆでたまごの原作担当、嶋田隆司がサポートを買って出た。ジムのロゴイラストはゆでたまご画。入会者用のTシャツは、宮川が好きな超人・悪魔将軍がデザインされている。

 宮川を筆頭に、嶋田はプロレス・格闘技の選手や関係者との広い交友がある。試合会場にも時間が許す限り足を運んできた。UFCなど海外の大会も、何度となく現地観戦している。MYDで指導するブラジリアン柔術黒帯にして写真家の井賀孝とは「アブダビ・コンバット(サブミッション・レスリング世界選手権)のブラジル大会で初めて会ったんです」と嶋田。

「プロレス・格闘技に大きな影響を受けてますからね」

 修斗、DEEPの後楽園ホール大会に取材に行くと、必ずと言っていいくらい顔を合わせた。PRIDEやK-1といったメジャーイベントだけでなく、後楽園で新人の試合も熱心に見ているから選手にも信頼される。

「大会を主催するDEEPの佐伯(繁)さん、修斗の坂本(一弘)さんがチケットを送ってくれるんですよ。お金を払いたいんだけど取ってくれない。そもそも『キン肉マン』は実際のプロレス・格闘技に大きな影響を受けてますからね。恩返しをしなくちゃ、というのはいつも考えてることです」

 その一環が選手との交流であり、ジムのサポートだった。6年前に娘が生まれてからはなかなか会場観戦ができなかったが、ジムがオープンすると嶋田自身も練習を始める。柔術に打撃、レスリングも。パーソナルトレーニングだけでなく一般のクラスにも参加。MYDは「キン肉マンの生みの親に会えるジム」となった。

「20年以上前にも柔術を習ったことがあるんですが、その時は指をケガしてやめたんですよ。周りからも止められて。今回は井賀さんに“還暦で試合出たらカッコいいですよ”って言われてその気になりました(笑)。

 久しぶりにやってみると、テクニックが細かくなってるしバリエーションも増えてるなと。最初に習った頃はブラジリアン柔術が日本に入ってきたばかりでしたからね。今は教わった通りにやると、生徒みんなが同じように技をかけることができる。なるほどこの技はこうなってるのか、と」

 宮川によると「(嶋田)先生は理屈でしっかり覚えるタイプ。普通は“たくさん教えて、1つ2つ覚えてくれればいいですよ”という指導なんですが、先生は教えたことを全部吸収するので教える内容を絞ってますね」。

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