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欧州SL勢よりヒドい!? 給与未払い、買収は詐欺で得た金で→転売狙い、独断でクラブカラー変更…最悪オーナー愚行録
posted2021/04/24 17:01
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
メガクラブのオーナーたちが画策した大規模なクーデターは、ひとまず失敗という結果に終わった。
イングランド、スペイン、イタリアを代表する総勢12のメガクラブのオーナーたちによって発表された「スーパーリーグ」構想。本稿執筆時点で残っているのはレアル・マドリーとバルセロナの2クラブのみで、実現はほぼ不可能だ。
真偽の定かではない情報が錯綜しているが、確かなことは実際にプレーする選手や監督は誰ひとりとして望んでいなかった、そして決定を下したオーナーたちはその現場の意見を一切無視していたということだ。
報道後、最初に矢面に立たされたリバプールのユルゲン・クロップ監督は「昨日聞かされたばかり」と事前に連絡がなかったことを明かしており、参加予定のクラブの所属選手達は、インタビューやSNSを通じて次々に反対の意を示している。
これまで各国リーグやCLのタイトルをかけて戦うことに誇りを持っていた選手やスタッフ、そんなクラブを応援することを生きがいに感じていたファンにとっては当然の反応だ。どれだけ札束を積もうと、ビッグイヤーの重さに勝てるはずがない。
もしこの構想問題自体が完全に収束したとして、クラブの歴史や選手・ファンの想いをないがしろにしたオーナーらに対しては、今後も厳しい目が向けられることが考えられる。
今回は2010年以降、スーパーリーグ・オーナーに引けを取らない愚行録を残したオーナーたちを振り返ってみる。
カタールの王族がマラガ会長となったが
最初は2010年6月にマラガの会長に就任したカタールの王族アブドゥラ・アル・タニだ。それまでラ・リーガ中位~下位をさまよっていたアンダルシアのクラブを推定3600万ユーロで買収した。
新体制初年度の10-11シーズンで残留争いに巻き込まれるとそのシーズン終了後、チームはひと夏にして生まれ変わる。
スペイン・サッカー連盟のスポーツディレクターとして、W杯南アフリカ大会優勝に貢献したフェルナンド・イエロをGMに招聘。さらにルート・ファン・ニステルローイ、サンティ・カソルラ、ホアキン・サンチェスら実力者を次々に獲得した。
11-12シーズン、マヌエル・ペジェグリーニ監督のもと1年を通して安定した戦いを見せたマラガは、4位でフィニッシュしクラブ史上初のCL出場を決めた。しかしチームが偉業を成し遂げる一方で、選手の給与未払いの噂が相次ぐ。