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箱根駅伝ランナーの“ふくらはぎ”はなぜ細い? 市民ランナーがマネできるトップ選手の4つのポイント
text by
三河賢文Masafumi Mikawa
photograph by上:Yuki Suenaga 下:Getty Images
posted2020/12/13 17:02
とてつもないトレーニングを積んでいるはずの箱根駅伝ランナーの脚の細さに驚いたことはないだろうか
人間は常に重力の影響を受けており、だからこそ地面に足が着いています。そして地面から足を離して歩くのは、この重力に差からって足を持ち上げる「反重力」による運動です。さらに歩行に比べて、ランニング時にはより高く足を持ち上げなくてはいけません。
箱根駅伝ランナーのランニングフォームを見ると、着地後に後ろへ足が伸び、大きく踵が上がって足が回転していることが分かるでしょう。ストライドを広げ、さらにそれを走るための推進力に活かすのであれば、足を回転させて前方向に運ぶ必要があります。 踵が上がることなく、地面を擦るように走っているランナーはいません。
ふくらはぎが重ければ、それだけ持ち上げるのに大きな力を要します。大きく重いふくらはぎが持ち上げられないためにストライドが伸びず、すぐ着地してピッチばかり速くなってしまう方は少なくありません。重いものを運び続ければ、重量に比例して疲労も早く訪れるでしょう。そのため、ストライドの広いランニングフォームを目指すのであれば、大きく発達したふくらはぎの軽量化は有効な手段の一つと言えます。
自分自身に最適化されたバランスの筋肉を
もちろん、ふくらはぎの筋力は速く走るために欠かせません。地面を反発させて推進力を得るのには、ふくらはぎの筋肉が用いられます。反発が小さくなれば、その分だけ逆にストライドも狭くなってしまうでしょう。そのため、ただ軽ければ良いというわけではなく、やはり「自分にとって必要以上の筋量は必要ない」ということになります。
また、これはふくらはぎ以外の筋肉についても同様。無駄に大きく重い筋肉は必要なく、自分自身に最適化されたバランスが重要です。その結果、箱根駅伝ランナーはどの選手も共通し、市民ランナーと比べてふくらはぎが細くなっています。
2021年1月2日から始まる「第97回 箱根駅伝」は、ぜひ選手の走りや身体つきにも注目してみてはいかがでしょうか。