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<MLS移籍の真相を語る>
スティーブン・ジェラード「ベッカムが僕の背中を押してくれた」
text by

サイモン・マロックSimon Mullock
photograph byAFLO
posted2015/10/19 06:00

MLSでのデビュー戦(7月17日)でゴールを決め、勝利に貢献。
――スティーブン、君の姿をプレミアで見かけなくなってから、半年近くが過ぎた。そもそも昨シーズン限りで、リバプールを去ることを決めた理由は?
「単純に潮時が来たと思ったんだ。過去の栄光にだけすがって、チームに残っているなんて見られたくなかったしね。
最終的に腹が決まったのは、サンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーと対戦した時(2014年11月4日)さ。自分は先発に選ばれなかったんだ。監督のブレンダン・ロジャーズは、プレミアの試合なら、今後もビッグマッチに出場できると言ってくれたけど、そもそも僕たちはCLを目指してハードな練習をするわけだし、ベルナベウのレアル戦なんて、最高にビッグな試合だろう? なのに自分はベンチに座っている。心の中で何かが変わってしまったのは、あの時だったと思う。
たしかにクラブ側はもう1年、契約を延長したいと言ってきてくれた。コーチングスタッフに加わっていけるような条件を出してくれたら、リバプールに残っていたと思う。だが残念ながら、条件の内容は望んだようなものじゃなかった。もちろんブレンダンやクラブのスタッフとは、今でも親しくつきあっているけどね」
――プレミアや、ヨーロッパの他のクラブに移籍しようとは思わなかった?
「やろうと思えばできたんだ。現に、トッテナムからはオファーを受けていたし、パリ・サンジェルマンやモナコ、ベシクタシュからも誘われていた。レアル・ソシエダにもね。リバプールのライバルであるエバートンやマンチェスター・ユナイテッドで監督をしたデイビッド・モイーズから高く評価してもらえるというのは、悪い気がしなかったよ(笑)。
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