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F1の最低重量10kg増、実は大改革。
長身ドライバー不利は改善するか。
posted2019/02/10 11:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
AFLO
F1がほかのスポーツと大きく異なる要素のひとつに、ルール(レギュレーション)が頻繁に変更されることが挙げられる。
もちろんほかのスポーツでも変更がないわけではないが、F1のように毎年ルールが変わる競技はなかなかない。F1のルールを司る国際自動車連盟(FIA)は、今年もレギュレーションに、さらなる変更を加えた。
2018年のF1では、じつは史上最速の戦いが演じられていた。これは'14年のパワーユニット導入以来低迷した人気を向上させるため、レースがよりエキサイティングになるよう、'17年にレギュレーションが大きく改定され、スピードアップ化されたからだった。
新レギュレーション導入によってマシンのスピードは上がり、昨年は全21戦中、じつに16戦でコースレコードが更新された。
オーバーテイク促進の変更。
だが、レースの大きな魅力の1つであるオーバーテイクという点では、一歩後退してしまった。'17年の新レギュレーションによるマシンは、これまでになくコーナーリングの速いものになった。
それは反面、ストレート手前のコーナーで前車に近づくことを困難にしてしまったため、最大のオーバーテイクポイントであるストレートで追い抜きするまでに至らなくなったからだ。
そこでFIAは、オーバーテイクを促進するための対策を検討。これまでよりもフロントウイングのデザインをシンプルにすることで、後方のマシンが乱気流に巻き込まれずに、ストレート手前のコーナーでも近づくことができるようにレギュレーションを変更した。
これにより今シーズンのF1は、多少コーナーリングスピードが落ちるものの、昨年よりも白熱したバトルが繰り広げられるというのが、FIAの思惑だ。