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JCのアーモンドアイに死角はあるか。
過去から浮かぶ優勝馬の条件は……。

posted2018/11/22 07:00

 
JCのアーモンドアイに死角はあるか。過去から浮かぶ優勝馬の条件は……。<Number Web> photograph by Masumi Seki

牝馬三冠を達成したアーモンドアイ。JC制覇となれば3歳牝馬ながら最強の座につくことになる。

text by

江面弘也

江面弘也Koya Ezura

PROFILE

photograph by

Masumi Seki

牝馬三冠を達成し、注目を集めるアーモンドアイ。
果たして古馬や外国馬相手にも勝利し、名実ともに最強となるのか。
日本初の国際GIレースを初回から見続ける穴党の予想はいかに。
Number966号(2018年11月22日発売)から全文掲載します!

 ジャパンカップも38回目になるが、初期のころと比べてずいぶんと風景が変わった。様々な国から招待枠いっぱいの馬が来日してにぎやかだった初期は、外国のビッグネームが負ければ「物見遊山」と言われ、たまに日本馬が勝つと「地の利」という言葉が使われた。

 しかし、いまは日本馬が勝つのがあたりまえになった。'98年にエルコンドルパサーが日本馬として6頭目の優勝馬になってからの20年間、外国馬の優勝は2回しかない。

 外国馬が最後に勝ったのは'05年のアルカセット(イギリス)で、馬券に絡んだのも'06年の3着ウィジャボード(イギリス)が最後である。思えばそれからの11年間、わたしは「穴は外国馬」と言いつづけてきたような気がする。当たらないわけだ。

 2010年代になって日本馬が上位を独占するようになると、来日馬も徐々に減っていった。それだけ日本馬が強くなったわけで、日本競馬界にとっては歓迎すべきことなのだが、年々国際色が薄れていく競馬場に行くと、ジャパンカップファンとして寂しさも感じる。

 残念だが、今年も来日するのはわずか2頭、アイルランドのカプリと、イギリスのサンダリングブルーだけである。

外国馬2頭もやる気じゅうぶん。

 カプリは昨年のアイルランドダービー馬で、今年の凱旋門賞では先行して5着に粘った芦毛。馬場状態の悪いレースでの好走が目立っていて、日本のスピード競馬に通用するのか疑問もあるが、ヨーロッパを席巻してきたクールモアグループとエイダン・オブライエン調教師が昨年の5着馬アイダホに続けて送り込んでくる馬である。勝算あっての参戦だと思いたい。

 もう1頭のサンダリングブルーはGIには勝ってないが、今年のヨーロッパでもっとも豪華なメンバーが揃った英インターナショナルSで3着に健闘した。

 '18年のヨーロッパ年度代表馬ロアリングライオン(GI4勝)には4馬身ほど及ばなかったが、英2000ギニーを勝ったディープインパクト産駒のサクソンウォリアー(4着)やドバイターフで日本のヴィブロスやリアルスティールを完封したベンバトル(5着)、ドバイワールドCの優勝馬サンダースノー(8着)らに先着している。その後、スウェーデン、カナダと転戦して日本にやってくる5歳セン馬の国際ランナー。やる気はじゅうぶんだ。

【次ページ】 とはいえ注目はアーモンドアイ。

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