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“古豪”復活を目指す筑波大。
文武両道プロジェクト8年目の足跡。

posted2018/11/08 11:00

 
“古豪”復活を目指す筑波大。文武両道プロジェクト8年目の足跡。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

文武両道を掲げ、大学の授業後に全体練習が始まることも。

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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Kiichi Matsumoto

 さばさばとした口調の中に、一抹の悔しさがにじみ出ていた。

「気象条件が良かったので、もうちょっと上位にいけたかなと。決して力がないわけではなくて、本来の力が出せなかったです」

 弘山勉駅伝監督率いる筑波大の箱根駅伝挑戦が、今年も予選会で潰えた。上位10名の総合タイムは10時間55分23秒。順位は17位。本大会への出場権を獲得できる11位以内に滑り込んだ上武大とはタイムで8分32秒もの大差をつけられた。

 いったい何が足りなかったのか。監督が続けて話す。

「チームとしての目標は10時間46分ちょっとだったので、それを出せていれば通ったんです。でも、チーム5番手以降がみな想定よりも1分以上は悪かった。実力を出せなかったのが中間層の選手に偏ったのは、予選会に向けてのアプローチがちょっとオーバー気味だったのかな。もう少し細かなグループ分けをして練習を組んでいたらここまでの誤算はなかったのかもしれません」

 筑波大はいわゆる「オリジナル4」のひとつ。1920年に開催された第1回箱根駅伝に明大、早大、慶大とともに出場。前身の東京高等師範学校が初代王者に輝いている。しかし、優勝はその1回のみで、本大会出場は1994年の70回記念大会以来遠のく。

 復活プロジェクトが立ち上がったのは2011年のことだった。

 筑波大のOBのみならず、往年の駅伝ファンにとっても、プロジェクトの進み具合は気になるところだろう。

 やはり国立大ならではの指導の難しさがあるのだろうか。

「うちはわりと理工学群の部員が多いんですけど、やはり授業がたくさんあって大変そうだなと思います。立川での予選会も授業を終えてから向かう選手は現地に着くのが20時前後になる。それからミーティングだからかなり遅いですよね。ただ、プロジェクトの大きなテーマが文武両道なので、なんとかそこは工夫していくしかない。勉学のハードルを下げずに、どれだけ陸上を生活の中で突出させられるか。本気度が試されているんだという話は学生たちにもしました」

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