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金本阪神はなぜ、優勝を逃したのか。
藪恵壹が指摘する「開幕2戦目の謎」。

posted2018/09/21 17:00

 
金本阪神はなぜ、優勝を逃したのか。藪恵壹が指摘する「開幕2戦目の謎」。<Number Web> photograph by Kyodo News

優勝の可能性が完全消滅したヤクルト戦後の金本監督。就任3年目の今季は優勝が期待されたが、9月20日現在、借金10の最下位と低迷。

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藪恵壹

藪恵壹Keiichi Yabu

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Kyodo News

 タイガースは19日のヤクルト戦に敗れて、優勝の可能性が完全に消滅しました。今季は監督やチームのスタッフはもちろん、多くの関係者、そしてファンが優勝を期待していて、それができる戦力であると確信していたと思うのですが、ふたを開けてみれば、金本阪神の過去3年で最も苦しんでいる状況です。

 勝負事に「たら」「れば」は禁物です。まだ、クライマックスシリーズに向けた戦いもあります。日本一の可能性だってあるのです。ただ、やはり、今シーズンを振り返ってみて、なぜ優勝できなかったのかを考えた時、私には1つ印象に残っていることがあります。

 あれは3月31日、開幕第2戦のことでした。

 スターティングメンバーを見て、「おやっ」と思いました。前日の開幕戦、巨人のエース菅野智之から5点を奪って最高の勝ち方をしたにもかかわらず、打線の1、2番を変えたからです。

 開幕戦はオープン戦で1度も試していなかった1番・高山俊、2番・鳥谷敬というオーダーでした。「ああ、いろいろ試行錯誤したけど、今シーズンはこれでいこうと首脳陣が腹をくくったんだな」と思いました。

 ところが一夜明けると、1番・俊介、2番・上本博紀となっていました。相手の先発投手が左の田口麗斗だったということがあるのでしょう。それでも、まだ2戦目だというのに、打線の看板でもある1、2番を変えるということに違和感を感じました。

ベンチと選手の距離感。

 5月初めにこのコラムでも触れましたが、タイガースのベンチと選手の間に漂う空気、監督やコーチに「こうしたい」という確固たるものはあるのに実際にプレーする選手がいまいち乗っていけないという雰囲気は、開幕2戦目の1、2番変更に象徴されているのではないかという気がしました。

 もっと言えば、鳥谷の処遇がその最たるものではないか、ということです。

 5月末、鳥谷の連続試合出場記録が1939試合でストップした後、あるメディアに本人のこういうコメントが載っていました。

「開幕2戦目で先発を外れた時、自分の中で、もう連続試合出場は終わったんだと考えた。ケガとか疲れとか、そういう理由がなくスタメンで出られなくなったということだから」

【次ページ】 2011試合出場の日に代打でバント。

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