ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
男子ゴルフの視聴率、観客数が上昇。
石川遼の日本復帰に加えて理由は?
posted2018/09/14 07:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Yoichi Katsuragawa
2018年も残すところ3分の1になった。秋開幕の米国PGAツアーは、ポストシーズンもあと1試合。精鋭30人が出場するツアー選手権を残すのみとなり、大半の選手は短いオフに入った。
一方、その他のツアーは多くがここからが終盤戦。年間25試合(9月ANAオープンが北海道胆振東部地震の影響で中止となり計24試合)が組まれている日本の男子ツアーはまだ10試合ある。
約34億円(ANAオープンを除く)の年間賞金総額のうち、約半分の16億9000万円がこの後半戦に分配されているから、賞金レースはここからが本番だ。
ツアーの低迷が叫ばれて久しい。
ただ、今季ここまでに関して言えば、男子ツアーへの注目度の曲線は“底を打った”ようにも見える。実はテレビの視聴率、そして各試合への来場者数は増加傾向にある。
石川遼効果は大きいが、不在でも。
9月第1週までの男女ツアーの平均視聴率(関東地方/ビデオリサーチ調べ)は、どちらも昨年の同時期時点に比べて高くなった。男子は2.9%から4.0%へ、女子は4.5%から5.2%にといった具合だった。
両ツアーを通じて最終日にもっとも高い数字だったのが、4月の東建ホームメイトカップで7.8%を記録。2017年大会の2.2%を大きく上回った。同大会では選手会長に就任して初めて国内の試合に出た石川遼が優勝争いを演じ、最終的には1打差の2位で重永亜斗夢にタイトルを譲った。
男子では、昨年よりも数字が悪かったのは4月末の中日クラウンズだけ。望ましい傾向の表れが、石川が予選落ちして週末にいなかったミズノオープン、日本ツアー選手権森ビル杯でも、微増ではあるが昨年度を上回ったことだろう。熱中症の影響で石川が欠場したフジサンケイクラシックでも、前年比0.5ポイントアップの4.5%を記録した。