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力士の体重は50年で30kg増えた。
土俵を広くする、という選択肢は? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKyodo News

posted2018/01/18 07:00

力士の体重は50年で30kg増えた。土俵を広くする、という選択肢は?<Number Web> photograph by Kyodo News

魁聖(右)は現役幕内の中で身長1位タイ、体重2位の大型力士。確かに吊り出すことはできなさそうだ。

土俵の大きさは、実は時代によって変わってきた。

 実は100年前の大相撲の土俵は、今とは大きく異なっていた。当時の土俵の直径は13尺(3.94m)、今は15尺(4.55m)。61cmも小さかった。しかも仕切り線はなかった。力士たちは土俵の適当な位置に手を下ろし、仕切った。当時の大相撲の写真には、仕切りで両力士がおでこをぶつけ合う様子が残っている。

 1928年に約60cm間隔の仕切り線が土俵に引かれるようになる。1931年には土俵の大きさが15尺になる。

 この背景には、力士の大型化があった。身長207cm、体重203kgの出羽ヶ嶽文治郎をはじめ、191cm146kgの男女ノ川登三、187cm116kgの天竜三郎など大型力士が登場し、土俵が狭く感じられたのだ。

土俵を広げれば、技が生きる余地が増えるのでは。

 戦後、土俵は16尺(約4.85m)に広げられた時期があったが、力士会の反対もあって元に戻された。以後、土俵の大きさはずっと15尺でやってきた。

 しかし、15尺の土俵は、力士の肥大化とともに狭く感じられる。小兵力士、手取り力士が技をかけようにも、あっという間に土俵際まで追いつめられる。

 土俵を16尺に広げれば、小さい力士が巨漢力士の突進から身をかわして逃げ回る余地がそれだけ増えるのではないか。技を使うチャンスが増えるのではないか。

 土俵が大きくなれば、押すにしても突くにしてもそれだけ手数が必要になる。スタミナがいる。土俵に上がるだけではあはあ言っているような超肥満体力士は淘汰されるのではないか。

 史上空前の巨体がぶつかるさまは確かに迫力がある。しかしそうした巨人たちに常人とさして変わらない大きさの小兵が対等に渡り合い、打ち負かすのも相撲のだいご味だ。

 大相撲の魅力をさらに多彩にするために、土俵を15尺から16尺にするのも手だと思うが、いかがか?

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