オリンピックへの道BACK NUMBER
底知れぬポテンシャルの三原舞依。
中国杯で再び世界を驚かせるか?
posted2017/11/02 08:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
努力に裏打ちされた強さ――。
今シーズン、三原舞依がここまでの大会で見せてきたのは、思わずそう言いたくなるような姿だった。
三原の2016-17シーズンは、まさに「破竹の勢い」という言葉がふさわしい快進撃だった。
特にシーズン後半だ。初めて出場した四大陸選手権で初優勝を飾ると、その際立ったスケーティングとともに、世界で広く注目されるような存在となった。
世界選手権では、エースである宮原知子欠場という状況の下、おそらくは五輪出場枠がかかっていることから来る緊張から、ショートプログラムは15位と思わぬ順位にとどまった。それをはねのけ、フリーでは渾身の演技で総合5位にまで戻したのである。
1つもミスのない、すべてに加点がつく滑りは、三原の代名詞ともなった「ノーミス」そのものだった。
さらにシーズン最後の試合、4月の世界国別対抗戦のフリーでは、146.17点という日本歴代最高得点を塗り替える快挙を成し遂げ、喝采を浴びたのである。
シニアでのグランプリデビューとなったスケートアメリカで、フリーでのミスに悔しさをかみしめながら「この結果に驚いています」と語っていたのが遠い昔のように、驚くほど成長を遂げて、シーズンを終えた。
すべてのスポーツジャンルにある「2年目のジンクス」。
鮮やかな足取りは、一方で、次のシーズンへのプレッシャーともなり得る。
他の競技では「2年目のジンクス」という言葉で語られたりするが、鮮やかな活躍であればあるほど、周囲の視線も大きく変わってくる。
また、「今年は大丈夫なんだろうか」と不安に駆られたり、「やらなければ」と自ら重圧をかけることもあるだろう。
そのため、2年目に成績が伸び悩むケースが珍しくはないのである。