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数字でも明白、DeNAの“積極打法”。
広島戦も「振る」意思を貫けるか?
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byKyodo News
posted2017/10/19 11:40
1stステージ第3戦で殊勲の本塁打を放ったロペス。3位からの“下克上”を目指すなら、攻めていくほかない。
「ファーストストライクから行け!」
倉本は言う。
「去年から、監督の方針で『ファーストストライクに手を出していい。凡打でも気にするな』と言われています。もともと早打ちしたいとは思っていたんですけど、以前は結果が出なかった時に『何で凡打してしまったんだろう』っていう(自分を責めるような)気持ちになっていた。でもいまは、ファーストストライクから打ちにいく理由が自分の中で明確になって、打てなかったとしても次につながると感じています。CSであろうと、やることは変わらない。いつも通りの野球をしたい」
思えば昨年のCSファイナルステージ第1戦、ベイスターズはカープの先発ジョンソンに対しても早いカウントからの攻撃を貫いていた。
この試合はわずか3安打しか放てず、105球で左腕エースに完封を許した。要は戦術が裏目に出たわけだが、翌日の試合前、「積極的に打ちにいく戦い方を変えるつもりはありませんか」と聞くと、ラミレス監督は短く答えた。
「何も変える必要はない」
早打ちにつきまとう非難を恐れずに!
あれから1年。一貫した方針のもと第一段階を勝ち抜き、再び決戦の地・広島に帰ってきた。
5回コールドに終わった初戦は雨に反撃の機会を奪われ、早くも正念場が訪れている。突破には4勝1敗が最低条件だ。
あっさり終わりやがって。
もっとじっくり見ていけば。
早打ちの凡打につきまとう非難の声を恐れぬスイングで、未来を切りひらくことはできるだろうか。