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数字でも明白、DeNAの“積極打法”。
広島戦も「振る」意思を貫けるか?
posted2017/10/19 11:40
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
Kyodo News
花咲徳栄高校の岩井隆監督がふと思い出したように言っていた。今夏の甲子園で初優勝した後、学校まで話を聞きに行った時のことだ。
「攻めるって絶対大事だなって。東海大相模の門馬(敬治)監督が、攻めろ、攻めろという野球をしているのを見ると、そう思いますね。だって、小笠原(慎之介)と吉田(凌)、ああいう大投手が2枚いた年でも、まだ攻めるんだから」
大阪桐蔭高校の西谷浩一監督も、かつてこんな話をしてくれた。中学生を勧誘しようという時、どんなところに注視するのかと聞いた答えだ。
「姿勢というか、打ちに入ってるかどうか。(ボールを)見て、見ての子はね、性格的に準備がちょっとおっとりしてるのかもしれない。平田(良介)、浅村(栄斗)なんていうのはもう典型的で、来たボールに対していつでもガッと振れる。それは大事なことだと思いますね」
ラミレスも積極攻撃を旨とする指揮官だ。
打つ。攻める。スラッガーとして日本球界に稀有な足跡を残し、いまは横浜DeNAベイスターズの監督となったアレックス・ラミレスもまた、積極攻撃を旨とする指揮官だ。
監督就任以来、ファーストストライクを打ちにいくことを打者たちに求めているのは、その象徴だろう。
まず1つストライクがほしい投手心理を逆手にとれば、ファーストストライクは最も甘くなりやすい球でもある。ストライクカウントを稼がれ、まして追い込まれた後では、厳しくコースを突かれてヒットにできる確率は減る。だからこそ、ファーストストライクは可能な限り見逃さず、積極的に打っていこうと打者に指示しているのだ。
リードオフマンの桑原将志や、打点王&最多安打のロペス、9番打者に入る倉本寿彦などは、そうした姿勢の体現者と言える。