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数字でも明白、DeNAの“積極打法”。
広島戦も「振る」意思を貫けるか? 

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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posted2017/10/19 11:40

数字でも明白、DeNAの“積極打法”。広島戦も「振る」意思を貫けるか?<Number Web> photograph by Kyodo News

1stステージ第3戦で殊勲の本塁打を放ったロペス。3位からの“下克上”を目指すなら、攻めていくほかない。

1stステージ、両チームの「見る」と「振る」の差。

 10月14日から雨天順延を挟んで4日間にわたり行われたCSファーストステージでも、ベイスターズ打線の積極性は発揮されていた。

 ファーストストライクを「見逃し」で奪われた回数を見ていくと、ロペスは15打席中4回、倉本は12打席中4回だった。つまり、それ以外の打席では、結果はどうあれ、ファーストストライクにバットを出していったことを意味する(ボール球に手を出したケースも含まれる)。桑原は15打席中9回と見逃しがやや多かったが、3試合の打率が.100と、状態が上がっていないことの表れなのかもしれない。

 タイガース打線と比較すると、違いは明瞭だ。

 総打席数から、スイング意思のない「犠打」、スイング機会のない「ストレートの四球」「初球死球」を差し引いたものを母数とし、ファーストストライクを「見逃し」で奪われた回数をカウントしていく。

 結果は、ベイスターズが117打席中49回(42%)、タイガースが106打席中60回(57%)だった。まずは「見る」ところから入ったタイガースと、とにかく「振る」ことから始めたベイスターズの差はくっきりと数字に表れていた。タイガースは特に中軸の打者に、見逃しによるファーストストライクが目立った。

第3戦に倉本、梶谷、ロペスが見せた積極性。

 もちろん、それぞれの打者にスタイルがあり、一概にどちらが良い、悪いと断じることはできない。積極打法は淡白な攻めと表裏一体で、相手投手をリズムに乗せてしまうこともしばしばある。

 ただ、ベイスターズは戦法としてそうしたスタイルを追求し、CSファーストステージでは一定の成果が出たということだろう。

 典型的だったのが第3戦、4回の攻撃だ。ベイスターズは初回に幸先よく3点を先制したものの、残すイニングはまだ多く、次の1点がどちらに転がり込むかによって展開は大きく左右されると思われた。

 そうした状況の中で迎えた4回表、先頭の倉本がこの回から登板した岩崎優の初球を右中間方向に弾き返した。まずは球筋を確認しようなどという気はさらさら感じられない思いきったスイングだった。外野の芝が水気を含んでいることを事前にチェック済みだった倉本は、いっきに二塁まで到達し、走塁でも積極性を見せた。

 続く桑原のバントと梶谷隆幸のタイムリーで倉本は生還し、さらにロペスが2ランを放ったところで大勢は決した。

【次ページ】 「ファーストストライクから行け!」

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