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横峯さくらはツアーで何を食べている?
米国で戦う事=食事との戦い、の実態。
posted2017/07/12 11:00
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Shizuka Minami
先日、今季限りでの現役引退を表明した宮里藍選手も参戦している米国女子ゴルフツアー。1月下旬から11月中旬の約10カ月間にわたって、世界の15の国と地域で35試合が行われるという過酷なツアーである。
日本と異なりそのほとんどが4日間大会で、フルに参戦するとシーズン中はほぼ休みがない。日曜日の最終日でホールアウト後にロッカーでシャワーを浴びて、すぐに空港に向かい、次のトーナメントの場所に行く選手も多い。アメリカ国内だけでなく世界各国で開催される大会を転戦するので長距離移動も多く、体力がなければシーズンを通して戦うことは難しい。
この地獄のような長丁場のツアーを戦い抜くために、食生活の管理はとても重要になる。「食を制したものがツアーを制す」とまでは言わないが、しっかり食べるのもプロ選手としての務めだ。
世界各国から食文化、宗教などが異なる選手が集まる米国女子ツアーで、彼女たちがどんな工夫をしているのかを紹介してみたい。
朝ごはんには必ずお米を――横峯の場合。
2015年から米国ツアーに参戦している横峯さくらが、朝ごはんに必ず食べるのが「お米」。
自分で炊いて用意することもあるが、それができない場合は前夜に日系やアジア系のレストランで炒飯などを翌朝用にテイクアウト。店によっては水気が少ないタイ米を使うところもあるが、お米の種類や調理法に大きなこだわりはなく「どれも美味しくいただいています」。
日本ツアーに参戦していた頃は、専属の調理師が用意してくれる食事を摂っていたため、「選手用食堂で(他の選手と)食べたことがなかった」と話すが、米国では食堂も積極的に活用している。
6月に東海岸のニュージャージー州で行われた大会「ショップライト・クラシック」では、朝食用のバッフェから目玉焼き、焼いたアスパラガス、ヨーグルトなどバランスよく取って席に。その後、おもむろにバッグから取り出したのは、前夜にテイクアウトした炒飯。前述したように朝はお米をしっかり食べる。