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打者を“ビビらせる”豪快フォーム。
DeNAドラ8進藤拓也に威圧感あり。

posted2017/04/12 07:00

 
打者を“ビビらせる”豪快フォーム。DeNAドラ8進藤拓也に威圧感あり。<Number Web> photograph by Kyodo News

長身を生かしたフォームから伸びてくる右腕。進藤の変則投法は初見のバッターにとって厄介なことこの上ない。

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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 プロ野球の世界を生き抜いていくうえで、「オンリーワンであること」はとても大切な要素だ。

 ファンに自らの存在を覚えてもらいやすいことに加え、特に投手の場合、固有のフォームは打者を幻惑する武器となる。WBCでも活躍した牧田和久の“サブマリン投法”しかり。小柄ながら脚を高く振り上げる小川泰弘の“ライアン投法”しかり。

 ベイスターズのドラフト8位ルーキー、進藤拓也もまた、オンリーワンの投手であると言って差し支えないだろう。

 秋田の西仙北高から横浜商科大、JR東日本というキャリアを歩んできた24歳の特殊性は、その投球フォームを見れば一目瞭然だ。

 186cm、90kgの堂々たる体格。セットポジションから始動したかと思えば、まず真っ先に両手が頭の上まで勢いよく振り上がる。わずかに遅れて左脚を高く掲げ、体を沈み込ませながら前方に跳ねるように踏み込むと、真横から右腕をしならせていく。

 横から見ると、その“異形”ぶりが際立つ。両手両脚を大きく使った、なかなかお目にかかれない豪快な投球スタイルである。

「オーバースローが“クビ”になっただけなんです」

 実はこの投球フォームにしてからまだ1年も経っていない。JR東日本の堀井哲也監督にサイドスロー転向を促されたのは昨年5月のことだ。進藤は言う。

「オーバースローが“クビ”になったっていうだけなんです」

 もともと上から投げていた進藤は、試行錯誤するうちに投球フォームのバランスを崩してしまっていたという。

「オーバースローのままでは試合に使わない、サイドにすれば試合に使うと監督に言われて……試合に出たかったので、『じゃあサイドにします』という感じでした」

 半ば強制的なフォーム改造だったが、結果は吉と出る。サイドスローに変えても何の違和感もなかったのだ。

【次ページ】 プロ初登板は、いきなり満塁の大ピンチで……。

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