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男子フィギュアのジュニア界も4回転!
台湾で目撃した羽生以降の新世代。
posted2017/03/21 17:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
選手を称える拍手が続いた。フィギュアスケートの世界ジュニア選手権男子は、予想を上回る演技が相次ぐ、ハイレベルな大会となった。
結果がそれを裏付けている。
これまでのジュニア男子の歴代最高得点は、ドミトリー・アリエフ(ロシア)が今シーズンのジュニアグランプリファイナルで記録した240.07だった。
今大会では、優勝したヴィンセント・ジョウ(アメリカ)をはじめ、5人の選手が240点を超えたのである。昨シーズンの世界ジュニア選手権で優勝したダニエル・サモーヒン(イスラエル)が236.65、その時の2位の選手の得点が220点台であったことと比べても、一段上がったことが表れている。
ハイレベルな争いは、80点を超える選手が続出したショートプログラムから始まり、その流れはフリーへとつながっていた。
中でも光ったのは、やはり、優勝したジョウである。
シニア選手と比べても遜色ない高得点だったジョウ。
ショートを5位で終えたジョウは、冒頭で4回転ルッツを成功させると、続く4回転サルコウ-3回転トウループも成功。終わってみれば、4回転ジャンプ計3本を含むすべてのジャンプに成功してフリーは179.24点。合計258.11で表彰台の真ん中に立った。
ジョウはフリーの技術点で104.66をマークしている。
ジュニアはコレオ・シークエンスがないし、大会も違うからいたずらに比較はできないが、その前提の上で、先の四大陸選手権でジョウ以上の技術点を得たのはネイサン・チェン、羽生結弦しかいないことはジョウの点の高さを物語る。