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Bリーグ大河正明チェアマンが語る。
NBAのアリーナ、ビジネス、地元愛。

posted2017/03/10 11:00

 
Bリーグ大河正明チェアマンが語る。NBAのアリーナ、ビジネス、地元愛。<Number Web> photograph by Kiyoshi Mio

銀行員から転身し、Jリーグ理事を務めた大河正明氏。一足先にバスケット界入りしていた川淵氏に請われてBリーグの初代チェアマンに就任した。

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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Kiyoshi Mio

 2月17~19日、アメリカのルイジアナ州ニューオリンズで、NBAオールスター・ウィークエンドが開催された。

 NBAのトッププレイヤーたちだけでなく、世界中から様々なバスケットボール関係者が集まるこのイベントに、日本の男子トップリーグ、B.LEAGUE(Bリーグ)からも大河正明チェアマンが、数名のスタッフと共に訪れた。

 リーグ新設1年目のBリーグにとって、NBAはリーグとしての運営年数や事業規模、レベルなど、すべてにおいてけた違いの存在だ。現地で見て、学んだからといって、すぐにBリーグに同じことができるわけでもない。それでも、直接見ることでこの先リーグの目指すものについてのヒントを得ることもできるし、そのために必要な人脈もできる。

 実際にNBAオールスターを見て、大河チェアマンは何を感じたのか。この先のBリーグの進む道、そのための課題は何なのか。2月19日、オールスターとマルディグラ(謝肉祭)のお祭りで盛り上がるニューオリンズの地で聞いた。

──大河チェアマンは、NBAのオールスターを見られるのは何度目ですか?

「僕は初めてです。たまたまNBAアジアのほうからご招待いただいて、せっかくの機会なので、今回お邪魔しています」

──今回、これだけは見ていこうとか、何かこれだけは収穫していこうという目的はもっていましたか?

「ひとつには、NBAの強化・育成を担当するバスケットボール・オペレーション部門のバイスプレジテントのブルックスさん(国際バスケットボール運営&エリートバスケットボール部門本部長のブルックス・ミーク氏)に会うことです。バスケットボール・ウィズアウトボーダーズ(BWB)も見てきました」

──BWBも、去年は八村塁選手が参加しましたが、今年は参加なし。毎年、日本人の選手が1人ぐらいは参加できるといいのにと思います。

「そうなんですよね。それは協会とリーグの課題ですね。あと、ジュニアNBAを日本でやれないかなと思っていたり、それから去年Dリーグ(のトライアウト)に3人ぐらい行かせていただいたんですけれど、そういった結びつきをもっと強固にしていきたい。代表強化だけでなく、育成年代からの強化。これからBリーグも、クラブチームがユース組織を持とうとしているので、そういうところがコネクションができるように、人脈作りがひとつの大きな目的ではあります」 

──ということは、Bリーグだけのためというよりは、日本のバスケットボール界全体を考えての結びつきでしょうか?

「そうですね。やっぱり日本の代表が強くならないとBリーグが盛り上がらないし、代表を強くするには育成のところから変えていかなきゃいけない。そういう意味で、両方の立場を兼ねて来ているっていう感じです」

【次ページ】 「競技者だけのためでなく、見る人のための施設を」

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