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「国の為に戦うことを誇りに思うか」
WBC米国代表が、今回は本気な理由。
posted2017/03/10 07:30
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
今回こそ、の思いは、過去にないほど強い。
第4回を迎えるWBCを前に、野球大国・アメリカが、本気で頂点に狙いを定めた。過去3大会は、常に優勝候補の最右翼に挙げられながら敗退。決勝進出どころか、第2回大会の準決勝が最高位と、地元米国ファンのため息を誘い、他国の歓喜を見届ける屈辱を味わってきた。
第1回から2連覇して国全体が熱狂した日本と違い、確かに大会前の時点で米国ファンの注目度は高くない。ただ、過去3大会以上に大リーグ機構は、本腰を入れて大会の意義をアピールしようと腐心してきた。
系列の「MLB.TV」をはじめ、MLB公式ホームページを通して関連ニュースを報道し、特集番組や企画記事を組み、大会の宣伝・告知を繰り返してきたのだ。
その影響もあり、少なくとも過去の大会よりもファンの認知度は上がり、選手の意識も変化してきた。
日本のようにシンプルに「代表選考」は進まない。
実際、今回はチームUSAの編成に関して、入念に準備を進めてきた。
機構の副社長を務めるジョー・トーリ氏(元ヤンキース監督)がGM(ゼネラルマネジャー)として、昨年7月のオールスター前後から主要な候補選手と話し合いを行い、意思確認を繰り返してきた。
米国の場合、選手自身が出場を希望しても、代理人や球団トレーナーの許可なども必要となるため、日本のようにシンプルに「代表選考」は進まない。
その一方で、監督を務めるジム・リーランド氏も併行して中軸選手と折衝。メジャー監督22年、1997年世界一の名将が持つ独自のネットワークを駆使して、チーム編成を進めた。