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「国の為に戦うことを誇りに思うか」
WBC米国代表が、今回は本気な理由。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2017/03/10 07:30
2016年に41本塁打133打点で二冠王、そして4年連続のゴールドグラブ。ノーラン・アレナドは、スターの中のスターだ。
メジャー屈指の「仕事人」が揃ったメンバー。
「常に最高のチームを作れるようにしてきたし、常に期待するものは大きい。これは大きなチャレンジであり、いいプレッシャーもある」(リーランド監督)
エントリーされたメンバーには、スーパースター軍団というよりも、メジャー屈指の「仕事人」が顔を揃えた。
2012年ナ・リーグMVPのバスター・ポージー捕手(ジャイアンツ)、2年連続ナ・リーグ打撃2冠(本塁打、打点)のノーラン・アレナド三塁手(ロッキーズ)、イチローの同僚でもある大砲ジアンカルロ・スタントン外野手(マーリンズ)らビッグネームが攻撃の中軸となる一方で、トーリ、リーランドの名将コンビならではの戦術眼もうかがえる。
「母国のために戦うことを誇りに思うか」
確かに、有力候補に挙げられていたクレイトン・カーショー投手(ドジャース)、マックス・シャーザー投手(ナショナルズ)ら、サイ・ヤング賞ホルダーの先発陣は辞退した。
しかしその分、アンドリュー・ミラー(インディアンス)、デビッド・ロバートソン(ホワイトソックス)ら救援陣を手厚く配置した。
昨年のワールドシリーズをはじめポストシーズンでも「早期継投」が流れを左右したように、特に先発投手に球数制限のある短期決戦で勝敗のカギを握るのは「継投」。ビッグネームに固執するどころか、具体的な戦術、起用法を想定したうえで、実戦で「使い勝手のいい選手」を揃えた布陣となった。
さらに、トーリ氏が重要視したのが、各選手の意志だった。まず、出場に「興味を持っているか」を問いかけ、さらに「母国のために戦うことを誇りに思うか」を確認した。ある意味で、「代表選出」というよりも、「代表志願」と言い換えてもいい。