スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
「とにかく釣りしたいっ」と思ったら、コレを買え! スーパー万能タックル登場。
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph byNanae Suzuki
posted2012/04/26 06:00
今回は「釣り」……いやいや、“のんびりレジャー”と侮るなかれ! 自然の変化や魚の習性を読み、ギアを選び、的確に仕掛けを投入し、魚との駆け引きを楽しむ釣りは、まぎれもないスポーツなのだ。釣り具のトップメーカー、ダイワが提案する新しい釣りのスタイル&ギアを紹介する。
奥山 高さ~ん、うちの子ども達が「釣りがしたい」っていうもんで、今度の休みに早速行こうかと思うんですよ。釣り道具、貸してくれます?
高 まったく~、初心者って「釣りがした~い」って軽~く言うけど、絶~対自分じゃ道具を買わないんだよな。
奥山 初心者はとかく、最初は借り物で試すもんですから……。
高 同じレジャースポーツのゴルフやテニスは、最初に道具を揃えるくせに! しかも、自分で素振りしたりレッスンスクールに参加したりするのに、釣りは糸の結び方ひとつ、覚えようとしないんだよな。
奥山 う~む、うちの子どもも実は僕もそうなんですけど、「釣った魚を食べたい」だけなんですよね。
高 つまるところソコなんだよな。日本人は「魚食い」の文化だから、釣り=漁であって、なかなかスポーツという意識が根付かないんだよな。欧米では糸やロッドといった道具の使用がルールできっちりと制限され、スポーツフィッシングとして確立しているんだけど……。
奥山 ルアーでマグロなどの大物を必死に釣り上げるのは、いかにも「スポーツ」って感じがするんですけどね。
高 いや、魚の大きさにスポーツ性は関係ないし、ルアーだからスポーツフィッシングというワケでもない。道具を限定し、スキルを磨き、タクティクス(釣り方)を熟考し、そして釣果を出すという意味では、他のスポーツと同様、釣りもまぎれもないスポーツなんだよ。
ジャンル&道具のニッチ化が初心者を困らせる!?
奥山 で、僕に貸してくれるんスか?
高 そりゃあもちろん貸してあげるけど、で、何を釣りたいの?
奥山 それそれ! その「何を釣りたいの?」っていうクエスチョンが、初心者を困らせちゃうんですよ。だって魚も釣り方も知らないんだから、「何を」なんて答えようがないんですよ。強いて言うなら「何でも釣りたい」んですよ。
高 わかった、わかったよ。確かに、ここ10年、釣りはどんどんニッチ化の傾向があって、道具はそれこそ魚種別どころか、釣る場所や水深別に細分化していると言ってもいいくらい。これじゃあ初心者は何を買っていいか、皆目見当がつかないよな。とは言っても、20cmのフナを釣る竿で1mのマグロは釣りあげるのは不可能だし、またその逆もありえないことは、いくら初心者でもわかるよね?
奥山 魚の大きさが違い過ぎるからでしょ。素朴な質問なんですが、同じサイズの魚用の竿なら、どんな魚でも対応できるんじゃないんですか!? 例えば、20cmだったらフナもニジマスもアジもカワハギもシーバスも、同じ竿で釣れないんですか?
高 理論的には可能。っていうか、技術や経験があればできる、かな。エサ釣りなのかルアーなのか、仕掛けを投げるのか沈めるのか……で、それぞれに適したロッド&リールがあるワケ。俺くらいのベテランになると、それを1つの道具でこなすことも可能ではあるんだけどね。でもね、それぞれの釣り方に特化した道具を使って、より専門化した釣りを楽しみたくなるんだよ。だから、自然と竿が増えちゃうんだよ。
奥山 そう言えば、以前、奥さんに黙って高価なロッドを買って、こっぴどく怒られてましたっけ。
高 うん、下駄箱横のロッド立てに、そ~っと紛れこませたんだけど、バレバレだったよ(苦笑)。まっ、それはさておき、奥山ファミリーの釣りだなっ! 結局「何でも釣りたい」と言っても、手軽に釣りたいんだろ?
奥山 そうですね。ボウズ(1匹も釣れないこと)は嫌です。大漁とまで行かなくても、何かしら釣れないと子ども達は我慢できません!
高 しかも、カミさん的には食べて美味しい魚じゃないとな!
奥山 そのとおり!