プロ野球亭日乗BACK NUMBER
ナイター自粛、猛暑、球場変更……。
NPB試合日程発表の衝撃と問題点。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2011/04/08 10:30
東京電力による節電対策の影響をもっとも受けると予想される東京ドーム。名将・原監督といえどもこの災禍に立ち向かうのは容易ではないだろう
12月まで日程がずれると、メジャーへの移籍も困難に!!
今年のオフにポスティング制度やフリーエージェントでメジャーへの移籍を考えている選手は、12月初旬のMLBウインターミーティングまでにその去就をはっきりできないことになる。そうなれば今年の移籍が難しくなる選手や、ポスティングの入札金や年俸にも影響が出る可能性も出てくる。
もちろん球団の収入が大幅減収となれば、まず個々の年俸への影響も覚悟しなければならない。
あらゆる困難を乗り越え、チーム、選手、ファンが力を合わせる時。
今は徐々に自粛ムードへの揺り返しが始まり、むしろ消費活動を停止することに警鐘を鳴らす声が増幅されてきている。しかし、開幕問題であれだけ揺れたからこそ、球界は決して「のど元を過ぎても熱さを忘れてはならない」はずだ。今年のプロ野球は「できるところで、できることをやる」――それしかないはずだからだ。
野球選手にできることは、原則的には野球しかない。
だから野球をやって、そこに人とお金が集まり、そこから復興支援へと結びつく長期的なスキームを作り上げること――それが、球界が取り組むべき社会的役割である。
そのために球団は頑張り、選手も身を切る思いで頑張るしかない。だから野球を愛するファンはそれを支援するために、1回でも多く球場に足を運んで欲しい。