テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「悔しい形だった」大谷翔平が浴びた大ブーイングと3ラン…“中0日で涙のMVP”山本由伸は園田通訳に「どういうこと?」ドジャースWS連覇ウラ話
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNaoyuki Yanagihara
posted2025/11/27 06:02
WS優勝後にグラウンドでインタビューを受ける大谷。ドジャースが連覇を飾った1日は、“28時間”の出来事となった
2日はサマータイム終了日だったため、「午前1時」が2度あったのだ。
セレモニーと各インタビューが終了した頃には午前2時に差し掛かろうとしていたが、そのタイミングで時計が再び午前1時に戻った。
「どういうこと?」
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山本が取材対応後にロッカーで園田芳大通訳に尋ねていたが、米国在住者ではない私も理解と感覚が追い付かなかった。
チームや報道陣はその後すぐ、5時間かけて東地区のトロントから時差が3時間戻る西海岸のロサンゼルスに飛んだ。そのため連覇を果たした記念すべき1日が“24+1+3=28時間”になる珍現象も経験した。優勝時は大量の原稿出稿が必要となる。そのためロハスが1点を追う9回に起死回生の同点弾を打った時点で「これはドジャースが勝つ試合だ」と察するとともに、翌日午前11時発の便を後ろにずらしたが、サマータイムを理解しておらず、その必要はなかったとのちのち後悔した。
何十年も語り継がれるに違いないWSだった
今回の移動距離の長さと過密日程は何とかならないのか――とは正直思ったが、同時にこのスピード感こそポストシーズンの醍醐味であることは間違いないだろう。
最も過酷で大変なのは各球団の選手、首脳陣、スタッフだ。特に今回のWSは間違いなくこれから何年、何十年も語り継がれるに違いない。報道陣の1人として、歴史の一部に関われたことに改めて感謝したい。
昨季のシャンパンファイト。10年契約の1年目だった大谷は選手やスタッフに「これをあと9回やろう!」と呼びかけたという。宣言通り1度目を達成し、前人未到のV10まで、あと「8回」。3月18日に東京ドームのカブス戦でどこよりも早く開幕し、誰よりも長く戦い抜いた2025年は幕を閉じた。そして来春のWBC出場も自身のインスタグラムで発表し、視線をすでに2026年に向けている。〈つづきは下の【関連記事】へ〉

