テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「悔しい形だった」大谷翔平が浴びた大ブーイングと3ラン…“中0日で涙のMVP”山本由伸は園田通訳に「どういうこと?」ドジャースWS連覇ウラ話

posted2025/11/27 06:02

 
「悔しい形だった」大谷翔平が浴びた大ブーイングと3ラン…“中0日で涙のMVP”山本由伸は園田通訳に「どういうこと?」ドジャースWS連覇ウラ話<Number Web> photograph by Naoyuki Yanagihara

WS優勝後にグラウンドでインタビューを受ける大谷。ドジャースが連覇を飾った1日は、“28時間”の出来事となった

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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 劇的な展開でワールドシリーズ連覇を果たしたドジャースだが、一度はブルージェイズ相手に崖っ縁へと追い詰められていた。その窮地で大谷翔平や山本由伸、ロバーツ監督らが見せたグラウンド内外での意外な表情、底力とは。〈NumberWebレポート:随時配信〉

ブルペン入り時点で大谷に大ブーイングが

 11月1日、ワールドシリーズ(WS)第7戦。泣いても笑っても残り1試合だ。大谷翔平は試合開始1時間30分前にグラウンドに出てきてアップを開始した。私はいつも通り3階の記者室から駆け降り、1階コンコースへ向かった。右翼のドジャース側ブルペンから大谷のウォームアップを観察した。練習中には米国国歌、カナダ国歌が流れ、ファンの「レッツゴー! ブルージェイズ」の大合唱が鳴り響いた。

 相手先発シャーザーに大歓声が注がれる中、大谷に対しては大ブーイングが浴びせられた。

 大谷がブルペンに入ると、ブルージェイズファンが後ろから何人も手を振って気を散らそうとする場面もあった。捕手を立たせ2球、座らせて29球を投じたが、ブルペン投球中の球場でのスタメン発表では、打者と投手の2回、大谷がコールされると大ブーイング。これがWSの第7戦の雰囲気なのか。フィリーズとの地区シリーズを超える熱狂、そして経験したことのないような逆風の中での試合になるとまざまざと感じた。

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 大谷は第6戦後、デーブ・ロバーツ監督と話し合いの場を持ち「先発でいきたい」と自ら告げたという。日米通じて最短の中3日で先発。救援起用も検討されたが、現行の「大谷ルール」では救援では降板後にDHで残れない。6月に投手復帰以降、登板間隔は常に5日以上空けてきた。慎重な起用法から一転し、大一番で禁が解かれた。

被弾で膝に手をついた大谷、中0日で奮投の由伸

「少しでも長く投げて後ろにつなげるように」と2回まで無失点でしのいだが、変化球は高めに浮き、精度を欠いた。3回1死一、三塁から4番ボー・ビシェットに初球のスライダーをバックスクリーンに運ばれ、がっくりと膝に手を突いた。

「悔しい形で打たれてしまった」

 普段は打たれても表情を変えないが、雌雄を決する第7戦での痛恨の3ラン被弾に、悔しさは隠せなかった。これで降板したがDHとしてバットを握り続けた。初回の中前打に続き、5回には右前打でチャンスメーク。得点にこそつながらなかったが、存在感を示した。

 この日の主役は、みたび山本由伸だった。

【次ページ】 由伸が世界一の投手…異論はないんじゃ

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