テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
フリーマン爆笑「これが必要なんだ!」“キム・ヘソン相手にコケた”ロバーツ監督も大谷翔平も…連覇崖っ縁ドジャースはなぜか悲壮感ゼロだった
posted2025/11/27 06:00
WS連覇を決めた直後の大谷翔平とロバーツ監督。じつは“崖っぷち”の状況でも悲壮感はなかった
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Robert Gauthier/Getty Images
ロバーツ監督がいら立ちを隠せなかった
10月29日のワールドシリーズ(WS)第5戦。ドジャースは、第1戦で4回2失点KOしたブルージェイズの新人右腕トレイ・イエサベージにやられた。1メートル93の長身からの角度のある直球とスプリットなどにてこずり、大谷は初回は投ゴロ、3回は空振り三振に倒れた。6回は両軍最速の打球速度117.3マイル(約188.7キロ)の痛烈なライナーがダイビングキャッチされ右直。4打数無安打で2戦連続ノーヒットとなった。
打線はイエサベージに12奪三振を許し、先発ブレーク・スネルも初回先頭から2者連続本塁打を被弾した。第3戦では2本塁打した大谷が4敬遠9出塁などWS史上初の記録を樹立したが、イエサベージ、そしてジョージ・スプリンガーとブラディミール・ゲレーロJr.による“史上初返し”をされて連敗し、2勝3敗で王手をかけられた。2番にウィル・スミスを起用するなど打線変更したが、15三振を喫して4安打1得点のみ。7回はWS史上初の1イニング3暴投など守備も乱れた。
「(打線は)いい感触じゃない。相手と違い、いい攻撃ができていない」
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デーブ・ロバーツ監督はいら立ちを隠せなかった。
一方、崖っ縁で再び敵地トロントへの移動を控えた試合後のクラブハウス。大谷は自身のロゴ入りTシャツに着替えて笑みを浮かべるなど、気持ちを切り替えているようだった。
「ここから2連勝が難しいだろう」との声も
報道陣からは、こんな声が多く聞こえた。
「ここから2連勝は難しいだろう」
私も異論はなかった。ただ、この状況での大谷の笑顔が気になった。
昨年、パドレスとの地区シリーズで1勝2敗と王手をかけられた試合後、大谷は「後がないという感覚自体が僕にはない。2連勝すればOKというゲームだと思っている」と言った。私はその言葉を思い出しながら、ホテルへ戻り、再び敵地トロントへ。もちろん寝る暇もなくドジャースタジアムから1時間ほどのオンタリオ空港からダラス・フォートワース空港を経由して、敵地トロントへと再び向かった。

