テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
ドジャースが不穏でも大谷翔平はどこ吹く風「ショウヘイ、モノマネいいね」熱血ベシアに“山本由伸のやり投げ”…超才能は二刀流だけでない
posted2025/09/20 17:02
ドジャースが地区優勝に向けて苦闘している中で、大谷翔平が見せた“二刀流だけでない才能”とは
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Icon Sportswire/Getty Images
ライバルも敵地で“大谷vsイ・ジョンフ限定Tシャツ”
《9月12日 ジャイアンツ戦(オラクル・パーク)1-5x●》
《9月13日 ジャイアンツ戦(オラクル・パーク)◯13-7》
《9月14日 ジャイアンツ戦(オラクル・パーク)○10-2》
気温はぐっと下がり20度前後。「ベイエリア」特有の冷たい風が吹きつける。9月11日。翌12日からの10連戦を前に、ロサンゼルスから空路で約1時間30分、北上しサンフランシスコに到着した。
私事ながらこの日は米国時間で40歳の誕生日だった。ただ、そもそも米国時間、日本時間のどちらで計算すべきなのか悩ましい……。きっと海外で戦う日本人アスリートも同じような気持ちなのではないだろうか。少なくとも私はこの時期はここ最近ずっと米国でメジャーリーグの取材を続けているため、ほとんど実感がないままこの〈節目の1日〉を終えるが、記者として「ヒリヒリする」9月を2年連続で迎えられていることに改めて感謝したい。
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翌12日午後2時。レンタカーを飛ばし、オラクル・パークに到着後、まずはチームストアに向かった。チームストアには土地柄、球団の“色”がふんだんに出る。また、カードや週ごとに商品を入れ替えるケースがあるため、可能な限り1カードに1回は遠征先であろうと足を運ぶようにしている。
まず目についたのは大谷とジャイアンツの李政厚(イ・ジョンフ)のイラストが描かれた今カード限定Tシャツだ。
サンフランシスコはロサンゼルスに匹敵するほどアジア系出身者が多く、多くのファンがこの限定Tシャツを買い求めていた。2人のイラストの下部には「BATTLE FOR CALIFORNIA」(カリフォルニア決戦)の文字。他にもピンバッジ、ペナント、マグネットなど今カード限定のコラボ商品が並んだ。こうやってライバル球団同士の対決を盛り上げているのだ。
キム・ヘソンに向かって何度も「サムイ」
ドジャースのクラブハウスが開くと、9月3日のパイレーツ戦での守備時にファウルチップが当たり、右手甲の痛みに悩まされているウィル・スミスが右手を超音波治療器で温めているところだった。表情が明るいのが救いだが、2番手捕手のダルトン・ラッシングも負傷離脱中(16日に復帰)。勝負の秋に向けて、疲れの見える救援投手とこの捕手の起用が一番の悩みどころだろう。
練習が始まると大谷はすぐグラウンドに姿を現した。

