テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「イッペイ!」大谷翔平、“敵地大ブーイングとヤジ”を浴びても平然…「美談ではない」佐々木朗希への“時間稼ぎ”はドジャース首脳陣のミス
posted2025/10/19 11:01
熱狂的なフィリーズファンから痛烈なヤジを浴びせられた大谷翔平だが、そこで“鬼メンタル”を見せたという
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Hunter Martin/Getty Images
敵地からヤジが飛んでも“どこ吹く風”
決戦当日の10月4日。前日は開いていなかったシチズンズバンク・パークのチームストアに向かうと、ペナント、ピンバッジ、缶スリーブなど大谷翔平とシュワーバーのコラボレーショングッズがいくつも並んでいた。地区シリーズの相手がドジャースと決まったのは3日前の1日。いつもながら米国のスピード感はすさまじいと感じる。
試合前には、大谷が3日の会見で熱狂的ファンを持つ敵地の印象を問われて「他の球場に比べて素晴らしい熱量」と語ったことを受け、ブルペンでの投球練習を近くまで見に行った。
シーズン中はどの球場に行ってもドジャースのユニホームを着用したファンがいるが、この日はほぼいない。取材パスを首からぶら下げながらコンコースを歩いていると日本メディアだと“バレバレ”で、すれ違うフィリーズファンに早口でまくし立てられる始末。ヤジられていることはすぐに分かった。
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だが、大谷は“鬼メンタル”だった。
ブルペン前のキャッチボール終了のタイミングでスタメン発表が行われ、大谷の名前が呼ばれると、地響きのような大ブーイング。大谷は日本ハム時代、米メディアの取材に「(フィラデルフィアにある)ロッキー像の写真を撮りたい」と話したことがあるが、そのロッキーのようにグラブを着けた左手を高々と突き上げ、笑顔でそのブーイングに応えていた。ブルペンでの投球練習中は「過大評価だ!」や、「一平!」と禁錮刑となった元通訳の名前を叫ぶヤジも飛んだが、どこ吹く風のようだった。
6回3失点→9回の打撃で朗希をサポート
メジャー8年目で初めて上がったポストシーズンのマウンド。大谷は2回に3失点したが冷静だった。


