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大谷翔平の満塁弾でも源田の1ミリでもなく…WBC侍ジャパン、コールド劇の陰で光る藤平尚真の“完璧な火消し” 53球交代の山本由伸には”厳密な投球制限”が
posted2026/03/07 17:15
WBC台湾戦で先発の山本由伸の後を受けて、満塁の場面で登板した藤平尚真。注文通り三振を奪い”見事な火消し”を遂行した
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
こういう試合だからこそ、きっちり勝ち切らなければならなかった。
日本が連覇へ向けたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド初戦の台湾戦。大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)の豪快な満塁アーチで流れを引き込んだ侍ジャパンは13対0で7回コールド発進を飾った。
伏兵“源田の1ミリ”からの大活躍
大谷を筆頭に打線は鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)、吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)、岡本和真内野手(トロント・ブルージェイズ)に村上宗隆内野手(シカゴ・ホワイトソックス)のメジャー組全員に安打も出た。そして伏兵、8番・源田壮亮内野手(西武)が2回に大量10得点へと繋げるリプレー検証の末に死球判定を勝ち取った“源田の1ミリ”から、3安打4打点の大活躍。まさに言うこと無しの満点発進を飾った。
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一方の投手陣も先発の山本由伸投手(ドジャース)から藤平尚真投手(楽天)、宮城大弥投手(オリックス)、北山亘基投手(日本ハム)と繋いでコールドを決めた7回の曽谷龍平投手(オリックス)まで5投手リレーで台湾打線を1安打0封と手堅い内容で押さえ込んだ。
その中でこの試合の1つのポイントだったのは、3回2死満塁で山本から藤平にスイッチした場面だった。
場面を振り返る。
1死から台湾の8番打者・林家正捕手の三塁へのゴロを三塁手の岡本が一塁へワンバウンド送球。これを一塁手の村上が捕球できず(記録は岡本の失策)、山本は出塁を許した。次打者を三振に仕留めて2死まで漕ぎ着けたが、そこから1番の鄭宗哲内野手を歩かせ、次打者のスチュアート・フェアチャイルド外野手(クリーブランド・ガーディアンズ傘下)には、カウント2ボール2ストライクから山本がピッチクロック違反を宣告されてしまう。ボール1つが加わり、そのまま四球となって満塁とピンチを広げてしまった。
球数53球で山本から藤平にスイッチした理由
グラブを叩いて悔しさをみせた山本の球数はこの時点で53球。ベンチを出てきた井端弘和監督は、球審に2番手の藤平尚真投手へのスイッチを告げた。



