テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「フレディ…君なら分かるだろ?」“引退会見前に長男と練習”カーショウもフリーマンも涙、大谷翔平とベッツは…テレビに映らないドジャースの友情
posted2025/09/29 11:05
引退会見でのカーショウ。涙する場面もあった伝説の左腕に、大谷翔平やフリーマンらは……?
text by

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Ronald Martinez/Getty Images
《9月18日 ジャイアンツ戦(ドジャースタジアム)◯2-1》
《9月19日 ジャイアンツ戦(ドジャースタジアム)◯6-3》
《9月20日 ジャイアンツ戦(ドジャースタジアム)◯7-5》
《9月21日 ジャイアンツ戦(ドジャースタジアム)●1-3》
カーショー引退発表…当日夕方に会見が
何を隠そう、私は“タイミングが悪い男”を自認している。新聞記者は“取材対象者を待つこと”が仕事の大部分を占めるといっても過言ではない。しかし、例えば私がやむなく用を足すためにトイレに向かった時に限って取材対象者がやってきて、取材機会を逃すなんてことは何度経験しただろうか。こればかりは仕方ないことだと割り切るのか、経験に基づくセンスや嗅覚が足りないと反省するのか。どちらの思考をもって次に向かうかで、その後の結果が大きく分かれるかもしれない。
9月18日の13時。ドジャースタジアムでのナイターゲームに備えてロサンゼルス空港近くのアパートを出発しようとしたところで、ドジャースからメールが届いた。リリース内容は、通算222勝、サイ・ヤング賞3度の37歳左腕クレイトン・カーショーの現役引退の発表だった。
ADVERTISEMENT
リリースによれば、会見は17時からドジャースタジアムの会見場で開催とのこと。ドジャースタジアムへ向かう運転中であればメールに気付かず、初動が遅れたに違いない。カーショーの現役引退発表は寂しく、ツラくもあるが、ここ数年は故障がちで誰もが予期していた未来だったかもしれない。私はスマートフォンのメッセージで24時間体制の会社にまず報告。速報記事は会社に任せ、そのまますぐに球場に向かった。
長男とキャッチボール、ノック…見えた親心
球場に到着して間もない頃、カーショーはどこかスッキリとしたような笑みを浮かべグラウンドに現れ、練習を始めた。

