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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
ドジャース佐々木朗希の「不調・故障→復活」はなぜ起きた? 改めて半年間の変化を“フォーム解析”第一人者が見る「カギは足の高さ、胸番号、お尻」
posted2025/11/27 11:00
佐々木朗希のシーズンのアップダウンを、投球フォームという面から第一人者に解説してもらった。左が4月、右が10月のフォームだが……
text by

赤坂英一Eiichi Akasaka
photograph by
Yukihito Taguchi
ドジャース・佐々木朗希(24)は来年こそブレークできるのか。メジャー1年目の今季は開幕から先発ローテに入りながら、不振に右肩の故障もあって5月から戦線離脱。それでも9月に復帰するとリリーフに回り、160km台の剛速球を投げ込んで存在感を示した。デーブ・ロバーツ監督は「来季は先発で週1度登板させる」と明言しているが、佐々木は山本由伸に次ぐ柱になれるのだろうか。
筑波大学体育系教授兼硬式野球部監督、コーチング学博士で動作分析の第一人者でもある川村卓氏(55)は大船渡高校時代から佐々木に注目し、直接指導した経験を持つ。その川村教授が、投球フォームの分解写真を手に、メジャーにおける佐々木の課題と将来性を余すところなく解き明かした。〈全2回の1回目/つづきを読む〉
筑波大学体育系教授兼硬式野球部監督、コーチング学博士で動作分析の第一人者でもある川村卓氏(55)は大船渡高校時代から佐々木に注目し、直接指導した経験を持つ。その川村教授が、投球フォームの分解写真を手に、メジャーにおける佐々木の課題と将来性を余すところなく解き明かした。〈全2回の1回目/つづきを読む〉
今季序盤の佐々木は8試合すべてで失点して1勝1敗、防御率4.72と振るわず、22四球とコントロールの悪さも目立った。
前半戦最後、初の中5日で先発した5月9日のダイヤモンドバックス戦では、大量リードをもらいながら2本の本塁打を含む5安打5失点と打ち込まれ、5回途中で降板となった。
不振→故障の理由は?
試合後に右肩の痛みを訴え、「インピンジメント症候群」と診断されて負傷者リスト入り。あの時、佐々木に何が起こっていたのか。
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「シーズン序盤に佐々木くん本来の投球ができなかったのは、コントロールを気にしながら投げていたからだと思います。思うように制球できないものだから、フォームにも影響が及んで、持ち前の力のあるボールを投げられなかった。
第1の原因は、メジャーの使用球に適応できていなかったことでしょう。日本のプロ野球に比べると、メジャーのボールは革の部分が滑りやすく、縫い目の山があまりない。日本のように品質が均等に整えられておらず、試合や球場によっても個体差が大きい。佐々木くんもボールの違いに戸惑っていたんじゃないでしょうか。
第2に、メジャーは球場によって気候も大きく違う。(ドジャースの本拠地がある西海岸のような)乾燥した地域では、どうしても指がしっかりとボールにかかりにくい。そのためにいつも制球を気にして、フォーム全体がおとなしい投げ方になってしまった」
そうした理由に加えて、佐々木自身はこう語っている。


