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あのマンUレジェンドも絶賛「ニッポンは非常に賢いね」森保ジャパンに興奮気味の英国メディアから“残念だ”の声…「PK練習はしていたのか?」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byKYODO
posted2022/12/13 11:04
PK戦の末、クロアチアに敗れ呆然とする三笘薫(右)と田中碧。英国メディアから「ニッポンは誇りに思うべき」「残念でならない」の声が相次いだ
「日本は団結力と精神力が素晴らしい。ドイツ戦では先制されながら逆転した。あの勝利で、『自分たちはやれる』と確信が持てたのだと思う。ピッチでは非常に冷静だ。そして、臨機応変にフォーメーションを変え、戦術面で柔軟性を備えている。さらに、途中交代で出場する選手が大きなインパクトを残している。このベンチメンバーの存在が大きく、彼らが控えていることで、チームとしても自信を保てるだろう。ボール保持率は高くないが、チャンスを得た時に確実に仕留めていることも大きい。それが勝因だ」
元ウェールズ代表DFアシュリー・ウィリアムズは、日本のプレースタイルについて言及した。
「非常に気に入っている。ボール保持率が低くても、あるいは先制されても、日本は慌てることがない。監督からそう指示が出ているのだろう。ウェールズ代表もなかなかボールを握れない試合があり、パニックに陥ることがある。だが、日本はそうならない。
日本は守備から攻撃へのトランジション(切り替え)が早く、攻撃を直ちに仕掛ける。だからシステム上、彼らはボールを長く保持する必要がない。だが、単なるカウンターのチームというわけでもない。ボールを持てば非常に賢くポゼッションを活かしている。良いチームだよ」
「日本は非常に賢い」絶賛していたのに…
今回の中継で興味深かったのは、解説陣のトーンが試合が進むにつれて大きく変わっていったことだ。
前半終了後のハーフタイムの時点で、解説陣は「日本優勢」の意見で一致していた。しかし、クロアチアが同点ゴールを奪った後半を境に、次第にクロアチアが有利との見方に変わっていったのだ。
例えば前半終了時、シアラーは次のように日本を絶賛していた。
「日本の方が、クロアチアよりずっと良い。ボールを素早く回し、ペナルティエリア内の良い位置に走り、チャンスを多く作り出した。また、非常に賢い。クロアチアのプレーを基本的に止めている。クロアチアの3人のMFは自分へのパスを求めるが、日本はそれを許してない。プレースピードも、日本がクロアチアを上回っている」
しかし後半8分、クロアチアがイヴァン・ペリシッチのゴールで同点に追いついた。クロアチアがクロスボールなどで揺さぶりながら盛り返していくと、日本はリズムを崩していった。
後半終了時、司会のリネカーが「日本は後半のラスト30分ほどシュートを打てなかった。この延長戦で、プレースピードを上げる必要がある」と話すと、ファーディナンドも同調し、以下のように言葉をつないだ。