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あのマンUレジェンドも絶賛「ニッポンは非常に賢いね」森保ジャパンに興奮気味の英国メディアから“残念だ”の声…「PK練習はしていたのか?」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byKYODO
posted2022/12/13 11:04
PK戦の末、クロアチアに敗れ呆然とする三笘薫(右)と田中碧。英国メディアから「ニッポンは誇りに思うべき」「残念でならない」の声が相次いだ
「アラン(・シアラー)の言葉を返すなら、2番目に長く感じる時間は、PKを失敗してハーフウェイラインまで戻るときだ。本当に、W杯のPKはタフだ。私も、90年W杯イタリア大会準決勝・西ドイツ戦のPK戦で、1番手のキッカーを務めた。あのときは成功したが、私の経験から言っても、W杯のPKは頭が普通でなくなる。思考が止まってしまうんだ。よく覚えている。
最近はPK戦に入ると、ボールがペナルティ・スポット周辺に事前に置かれてあるよね。でも当時は、最初のキッカーがハーフウェイライン付近でボールを渡されていたんだ。その時に『あれ、どうすればいいんだ?』と思ってしまった。
『私がペナルティ・スポットまでボールを手で持っていくのか? あるいは軽くドリブルしながらいけばいいのか?』って。そんなことで悩む必要なんてないのに、そう考えてしまったんだ。またボールをスポットに置いた後も、走って蹴るのか、歩いて蹴るのか、分からなくなった。それぐらい難しいんだ」
今回の日本対クロアチア戦で、英国のレジェンドたちは試合の流れを的確に読んでいた。前半は「日本優勢」としながらも、後半から試合の流れがゆっくりとクロアチアに傾いていると指摘し、PK戦突入時は「クロアチアが有利」と断言した。そして、勝負を分けたのは「経験の差」と語った。
PK戦はたしかに運が大きく左右する面もある。ただ勝負を分けたのは、それだけではない。後半からの試合展開やクロアチアの驚異的な勝負強さなど、複数の要因が積み重なった結果だった。
幾多の経験を積んできたレジェンドの言葉には非常に重みがあると、そんなことを感じさせる一戦だった。
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