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〈W杯初戦予想スタメン〉ドイツ人記者の質問に森保監督の答えは… 最も悩ましいのは「遠藤航とボランチを組むのは守田英正以外の誰か」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/11/23 13:40
さあドイツ戦。森保一監督はどのような11人を先発のピッチを並べるのか
柴崎はやはりドイツ相手では守備力やデュエルにおける強度への不安が否めない。ボール支配で上回ることが予想されるコスタリカ戦でこそスタメン起用し、そのプレーメイク力を生かしたい。
そこで予想するのは、田中の先発出場だ。遠藤とは東京五輪でコンビを組んでおり、連係は万全だ。約3週間ぶりの実戦となったカナダ戦では試合勘に苦しんだものの、1試合をこなして改善されているはずだ。
もともと足りないものを身に付けるためにドイツ2部に飛び込んだ経緯がある。足りないものとは、デュエルの部分。その成果を示す舞台としてドイツ戦ほど相応しいゲームはないだろう。
2列目から前の4人は“アメリカ戦のカルテット”が濃厚
2列目から前の4人は右から伊東純也、鎌田、久保、そして1トップに前田大然――9月23日のアメリカ戦に先発したカルテットが濃厚だ。
前田の2度追い、3度追いのプレッシングはドイツの守備陣に脅威を与え、彼らのリズムを乱してくれるに違いない。
伊東が右ひざにテーピングを施してトレーニングしているのが気になるが、もし、先発が難しい場合でも、堂安律、相馬勇紀、浅野拓磨が控えている。森保監督が試合ごとのターンオーバーを想定しているように、今の日本代表には2チーム分作れるだけの選手がいる。
森保監督は11月1日に行われたワールドカップメンバー発表会見で現在の心境を問われ、「行雲流水」と答えた。行雲流水とは、空をゆく雲と川を流れる水のように、自然体であるという意味だ。
ドイツ戦前日会見でも同じ姿勢を崩さなかった。
「これまでやってきたことに自信がありますし、選手の成長のために、いろいろな変化に対応しながら、自分たちのパワーとして積み上げてこられた」
そうきっぱりと語り、こんなふうに続けた。
「試合に向けては冷静に、最善の準備をして全力を尽くす。行雲流水の気持ちに変わりはありません」
指揮官も選手たちと同じように、やるべきことはやったという自負があるのだろう。
人事を尽くして天命を待つ――。さあ、いよいよ運命のドイツ戦だ。<つづく>
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