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「練習で誰もトミを抜けない」冨安健洋を英メディア&アーセナル監督が大絶賛…「サラー、ソン・フンミンも封じた」SB起用もあり?
posted2022/11/23 17:00
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
「トミは選手としてトップクラスのプロフェッショナルで、最終ラインに安定感をもたらした。優れた守備力だけでなく、我々の求めるプレーへの理解度も高い。適応力が秀逸だ。アーセナルへの貢献は高い評価に値する」
日本代表DF冨安健洋をこう手放しで褒め称えるのは、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督である。ビッグクラブでひときわ存在感を放っている冨安について、40歳のスペイン人指揮官は、質問を受ける度に称賛の言葉を送っている。世界最高峰プレミアリーグで首位を走るチームの主軸として貴重な戦力になっていると評していいだろう。
エースキラー・冨安は何がスゴいのか?
特に今シーズンの冨安は、エースキラーの役割をまっとうしている。相手チームのエースを封殺する役割を見事に果たしているのだ。
特筆すべき冨安のストロングポイントは2つある。ひとつは「1対1の守備力」だ。チームメートのMFエミル・スミスロウが「練習で誰もトミを抜けない」と舌を巻くように、冨安が敵のアタッカーにドリブルで突破される場面はほとんどない。フィジカル、スピード、ポジショニングの良さを生かしたディフェンスを、アルテタ監督も高く評価している。
もうひとつが「ユーティリティ性」だ。指揮官が「日本代表ではCBとしてプレーしているが、右SBと左SBもこなすことができる。どちらが利き足か分からないほど両足をうまく使える」と絶賛するように、複数のポジションでプレーできる万能性は大きなストロングポイントである。味方の選手交代に伴い、試合中に右SBから左SBにポジションを移すことも珍しい光景ではない。
こうした2つの特性を持つ冨安を、アルテタ監督は相手チームのエースを抑えるキーマンとして最大限に活かしてきた。日本代表DFへの絶大な信頼は起用法からも見て取れる。