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〈W杯初戦予想スタメン〉ドイツ人記者の質問に森保監督の答えは… 最も悩ましいのは「遠藤航とボランチを組むのは守田英正以外の誰か」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/11/23 13:40
さあドイツ戦。森保一監督はどのような11人を先発のピッチを並べるのか
GKは権田、最終ラインは板倉が先発なのでは
GKは権田修一の先発が濃厚だ。権田もドイツ戦前日のミックスゾーンに登場したが、「(アルゼンチンを破った)サウジアラビアはあれだけラインを高く取っていた。僕らにとってヒントになる」「今大会はアディショナルタイムが長い傾向があるが、最初から想定していれば問題ない」「ボールを奪ったあと、どこにスペースを見つけるのか」などと言葉に具体性があり、自身が出場することを前提に話しているように感じられたからだ。
ディフェンスラインは右から酒井宏樹、板倉、吉田麻也、長友佑都と予想する。
なかでも注目すべきはセンターバックだが、板倉が先発する可能性の高さは、例えば彼のこんな言葉から窺える。
「前日にこうやっていい状態に持ってこられたのが素直に嬉しい。ケガをしたときから、ここ(W杯)の1戦目というのは目標にしていた。すごくいい状態でW杯の初戦を迎えられるのは嬉しい」
冨安健洋も21日のトレーニング後、「もともとドイツ戦に間に合わせるために準備をしてきた」と語っていたが、彼が負ったハムストリングのケガは無理をすると再発の危険性もある。ここはカナダ戦でケガからの復調をアピールした板倉が先発するのではないか。
果たして遠藤とボランチを組むのは誰か
最も悩ましいのがボランチである。
11月8日に行われたシュツットガルトのゲームで相手選手と激しく接触し、脳震とうを起こした遠藤航は回復プロトコルを終え、すでに19日のトレーニングからフルメニューをこなしている。遠藤自身も「問題ない」と出場に向けて手応えをのぞかせた。
となれば、果たして誰が遠藤とボランチのタッグを組むのか。
その第一候補である守田は左ふくらはぎの違和感のために全体練習への合流が遅れていたが、「体に関しては100%に近い状態」と語り、ドイツ戦前日となる22日のトレーニングはフルメニューをこなした。
守田が現状について説明する。
「痛みではなく違和感だったので、それがいつなくなって復帰できるか自分としても分からなくてナイーブだったんですけど、少しずつできることが増えた。昨日(21日)も頭から練習ができて、今日(ドイツ戦前日)は全部やりました」
とはいえ、しばらく別メニューだったため、心肺機能が万全ではないようだ。
「2、3日でマックスには持っていけないんで。やっぱり試合を積み重ねないと、(体力は)戻ってこない」
そうした言葉を聞く限り、ボランチという最も運動量を必要とするポジションで、いきなり先発出場を果たすのは難しいのではないか。まずは途中出場して実戦に復帰するのが現実的と思われる。
残る候補は4人。田中、柴崎、鎌田、板倉の中で…
となれば、残る候補は4人。田中碧、柴崎岳、鎌田大地、板倉だ。
板倉は前述したようにセンターバックとして先発させたい。フランクフルトでボランチを務める鎌田に関しては、森保監督もカナダ戦の終盤にボランチ起用を試し、一定の成果を得ている。ただ、トップ下における鎌田のキープ力は今の日本の攻撃の生命線だ。その鎌田を1列下げると、前線の基準点を失うだけでなく、得点力まで低下してしまう。