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日本人初のジャンプW杯総合優勝。
小林陵侑は「他の惑星の人間だ」

posted2019/03/17 11:30

 
日本人初のジャンプW杯総合優勝。小林陵侑は「他の惑星の人間だ」<Number Web> photograph by AFLO

3月14日の大会では、2本の140m超えを記録した小林陵侑。高梨沙羅も「天才だと思う」と舌を巻く。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 シーズンが開幕する前、ここまでの活躍を予想しえただろうか。いや、活躍という言葉ではおさまらない。まさに歴史的な快挙である。

 3月10日、ノルウェー・オスロで行われたノルディックスキー・ジャンプのW杯第23戦で、小林陵侑は5位に入った。この結果、2位に500ポイントもの差をつけ、逆転される可能性がなくなったことから、5戦を残してW杯個人総合優勝を決めた。

 W杯が始まって40シーズン、日本男子として初めて、欧州以外の選手でも初めての戴冠となる。

 オスロまでの23戦で優勝は11回、表彰台は16回と高いレベルで安定した成績を残すと、優勝決定後の3月14日に行われたトロンヘイムでの25戦目も優勝を果たし、史上4人目のW杯12勝を成し遂げた。

本場ヨーロッパでも驚きの声。

 成績を見ても他を圧倒してきたが、内容を見ても図抜けていた。はじめに大きな衝撃を与えたのは、フィンランド・ルカで行なわれた第3戦だ。

 前日、同じくルカでの第2戦でも優勝していた小林は、2位に平昌五輪ノーマルヒル金メダリストのウェリンガー、3位には同ラージヒル金メダリストのストッフら実力者を抑え、見事な連続勝利を収めた。

 特にこの日の2本目は、ジャンプ台記録に並ぶ大飛行。しかも強風でコンディションが安定しない中、スタートゲートを2段下げながら、ヒルサイズをやすやすと上回ったのである。高く飛び出し、最後にひと伸びする飛行曲線も驚異的で、2位に22点の大差をつけることになった。このジャンプに、目の肥えたヨーロッパのメディアも、「ありえない」「他の惑星の人間だ」などと報じ、衝撃の大きさがうかがえた。

 年末年始の8日間にドイツとオーストリアで集中的に4試合開催される、いわゆる「ジャンプ週間」でもすべての大会で優勝した。ここでも、条件に恵まれない中で見事なジャンプを見せ、もはや、飛び抜けた存在となっているのは明らかだった。

【次ページ】 身体能力は「とんでもない」。

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