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Bリーグは現地で見ると想像以上。
売り切れ続出、現場の熱が凄い。
posted2017/10/06 11:40
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Yuki Suenaga/Jun Ikushima
2年目のBリーグが開幕した。
初年度はチャンピオンシップに入ってから素晴らしい試合が続き、盛り上がりを見せたが、この波を維持できるかが問われる年となる。
リーグ側に動きもある。千葉ジェッツ社長の島田慎二氏をリーグの副チェアマンに招いたが、島田氏は1年目をこう振り返る。
「初年度は開幕効果で、かなりファンの方々に足を運んでいただくことが出来ました。終盤戦には残留争いが激しくなったことで、ファンの方がさらに熱心に応援してくださり、シーズンを通していい流れが出来ていました」
そしてこうつなぐ。
「この勢いを、どう2年目に生かすかがリーグ、各チームの課題です」
開幕節は10の会場でソールドアウト。
B2に降格した秋田では、4000人を超える観衆が詰めかけたし、私が取材した栃木ブレックスの開幕戦でも4000人が詰めかけた。
ロックスターのような黄色い歓声を受ける選手。
Bリーグの開幕節を取材し、そしてテレビのスポーツニュースを見て感じたのは、Bリーグが「体感型」のスポーツだということだ。
会場での熱は、全国ニュースや全国紙ではなかなか伝わらないのである。
チャンピオン・チーム、栃木ブレックスの開幕戦はアツかった。
会場では、試合に先立ってチャンピオンリングの贈呈式が行われ、この日もっとも大きな歓声を受けたのは、昨季のチャンピオンシップで大活躍を見せたジェフ・ギブスだった。
ギブスは、優勝を決めた試合で左アキレス腱断裂という大ケガを負い、アメリカで治療中だったが、リングを受け取り、スピーチをするためだけに栃木に帰ってきた。
ギブスがフロアに登場すると、まるでロックスターかアイドルを迎えるような黄色い歓声が起こり、呆然とする思いだった。
この興奮、そしてギブスが栃木にとっていかに大切な選手か、それは全国を相手にしたメディアでは伝わりづらいのである。
その意味で、Bリーグのチームは地域にとって重要な財産になり得るし、会場に足を運べば「熱」を体感できる。