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Bリーグ川崎、激戦区で戦う危機感。
「突き詰められる環境」は大歓迎。
posted2017/10/07 07:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
Bリーグ初年度の昨シーズン、開幕戦を落とした川崎ブレイブサンダース。今シーズンもまた、敗戦からのスタートとなった。試合は名古屋ダイヤモンドドルフィンズのジャスティン・バーレルのブザービーターによって76-77で敗れた。
ただ試合全体を振り返ってみると、川崎が大切にしているはずの試合の立ち上がりでつまずき、第1Qで10点のビハインドを背負い、最大で16点差をつけられる時間帯もあった。
「逆転してリードを広げられるところでしたが、自分で崩れてしまった。今日に関しては本当にゲームコントロールの部分で、ポイントガード(PG)の僕の責任がかなり大きい試合になったかなと思います」
キャプテンの篠山竜青が試合後に語ったように、昨季のファイナリストらしくない一面も見せた。その一方で、今後に期待を抱かせるところもあった。
それは篠山と同ポジションである、PGの藤井祐眞の活躍だった。
篠山の声に乗せられた、アグレッシブなプレー。
最初の見せ場は、第3Qの残り4分半を切ったタイミングだった。名古屋のバーレルがテクニカルファールでベンチに下がった直後のことだ。
「テクニカルファールの場面で(篠山)竜青さんがみんなを集めて『ここだぞ! ここで流れをうちにもってきて、ここで勝負しよう』と言ってくれた。コート内にいる全員がそういう意識でできたので、僕もそういう気持ちになって積極的なプレーをできたと思います」
藤井は1分以内にジャンプシュートと3Pシュートを決め、ボールを保持した名古屋の張本天傑に対して果敢なボール奪取を狙った。これはファールとなったが、会場につめかけた3304人のファンからは、アグレッシブなディフェンスを見せた藤井に大きな拍手が送られた。
実は、これが大きな意味を持つプレーだった。