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父の急死翌日に砂の新王者を戴冠。
ゴールドドリームの「すごい瞬発力」。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2017/02/20 11:10

父の急死翌日に砂の新王者を戴冠。ゴールドドリームの「すごい瞬発力」。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

父ゴールドアリュールは、サンデー産駒の中で唯一のダートGI優勝馬。その血を引くゴールドドリームも、砂での圧倒的な力を見せ始めた。

他馬より、集中力さえ発揮すれば負ける要素はなかった。

 デムーロは「テンションが高くてチャカチャカしていた。レースに集中していなかったうえに出遅れて、掛かって、伸びなかった」とチャンピオンズカップを振り返る。

 そうした敗因の逆――落ちついて、レースに集中し、まずまずのスタート切って折り合ったことが、フェブラリーステークスの勝因となった。他馬との力関係より、自分との戦いに勝つことがテーマだった。

「集中させたら負けない」

 デムーロがさり気なく口にしたそのひと言が、この馬のとてつもない強さを言い表しているのかもしれない。

「すごい瞬発力。最後は物見して危なかったけど、ベストウォーリアが来たらまた伸びていた。距離が延びても、2000mまでなら大丈夫」とデムーロ。

 平田調教師も「マイラーではないと思っている」と話しており、今後は国内外のさまざまな舞台が活躍の場となる可能性がある。

ヒヤシンスSでも、ゴールドアリュール産駒が勝利。

 5番人気ながら2着に健闘したベストウォーリアに騎乗した戸崎圭太は、「かわせると思いましたが、最後は同じ脚色になってしまった」と、さばさばと語った。

 これで5戦連続2着。フェブラリーステークス参戦は4度目で、2014年は13着、'15年は3着、'16年は4着だった。7歳にして自己最高を更新したのだから、讃えられていい。

 さらに3/4馬身遅れた3着に来たのは、1番人気に支持されたカフジテイクだった。ラスト3ハロン34秒9というメンバー最速の脚で伸びてきたが、直線で雁行状態になった馬群の大外に出ざるを得なかった距離ロスが、この着差を考えると痛かった。手綱をとった津村明秀は「位置取りが後ろすぎ、外を回りすぎた。ポジションをとれなかったのはぼくのミスです」とコメントしたが、決め手勝負にかける自分の競馬をしたのだから、責められない。

 プレビューで本命にしたノンコノユメは7着だった。騎乗したクリストフ・ルメールが「ミルコの後ろのベストポジションをとったが、直線で反応がなかった」と語ったように、脚があれば勝てる競馬をした。まだ状態が戻り切っていなかったのだろう。

 なお、この日の第9レースとして行われたヒヤシンスステークス(東京ダート1600m、3歳オープン)を勝ち、5月6日の米国ケンタッキーダービーの出走権を獲得したのはエピカリスだった。これで4戦4勝となったこの馬もゴールドアリュール産駒だ。招待状が届いている3月25日のUAEダービーを含め、今後のスケジュールは未定だが、楽しみな馬が現れた。

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