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父の急死翌日に砂の新王者を戴冠。
ゴールドドリームの「すごい瞬発力」。

posted2017/02/20 11:10

 
父の急死翌日に砂の新王者を戴冠。ゴールドドリームの「すごい瞬発力」。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

父ゴールドアリュールは、サンデー産駒の中で唯一のダートGI優勝馬。その血を引くゴールドドリームも、砂での圧倒的な力を見せ始めた。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 上半期のダート王を決める第34回フェブラリーステークス(2月19日、東京ダート1600m、4歳以上GI)を制したのは、ミルコ・デムーロが騎乗した2番人気のゴールドドリーム(牡4歳、父ゴールドアリュール、栗東・平田修厩舎)だった。レース前日、心臓疾患のため急死した父ゴールドアリュールを弔う、GI初制覇となった。

 大外16番枠のインカンテーション、15番ケイティブレイブ、12番ニシケンモノノフなど、前に行きたい馬が外枠に入ったため、レース序盤の流れは速くなった。前半4ハロン(800m)は46秒2、後半4ハロンは48秒9。前半のほうが2秒7も速い、差し・追い込みに有利な前傾ラップになった。

 しかし、そのわりに直線に向いても馬群はバラけず、逃げ・先行馬は、後ろを塞ぐ壁となって叩き合いを始めた。好位から中団につけた馬たちは、その外からかわしにかかり、後方に待機していた馬たちはさらに外を通らざるを得なくなった。

 道中2番手だったニシケンが5着、4、5番手のケイティが6着に残ったように、前が総崩れにならなかったのは、4ハロンから5ハロンが12秒8と、途中で極端にペースが緩む局面があったからだろう。

 そのため、後ろすぎた馬も苦しくなり、結果的に中団の外につけたゴールドドリームにとって、おあつらえ向きの展開になった。抜群の手応えのまま早めに抜け出しをはかり、内から伸びてきたベストウォーリアとの叩き合いを首差で制した。勝ちタイムは1分35秒1。

 デムーロは、モーニンで勝った昨年につづくフェブラリーステークス連覇を果たした。

前哨戦を使わない、という戦略。

 流れが味方したことを差し引いても、ゴールドドリームは強かった。

 これで9戦5勝2着2回3着1回着外1回。唯一の着外は12着に大敗した前走のチャンピオンズカップなのだが、なぜ負けたのか、不思議に思えてくる。

「武蔵野ステークスから中2週でチャンピオンズカップと間隔が短かったので、馬が入れ込んで、チグハグな競馬になってしまった」

 と平田調教師は敗因を語る。それもあって、今回は前哨戦を使わず、ここ一本に絞ったのだという。

【次ページ】 他馬より、集中力さえ発揮すれば負ける要素はなかった。

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