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「テクニックという言葉は使わない」
オランダ発、サッカー再定義の潮流。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2016/04/11 10:30

「テクニックという言葉は使わない」オランダ発、サッカー再定義の潮流。<Number Web> photograph by Getty Images

オランダサッカー協会のテクニカルマネージャーのフースは国外から学ぶと宣言した。

「テクニック」という言葉の曖昧さを排除。

 サッカー用語の再定義は、一見すると地味な作業だが、曖昧さをなくすうえでとても大事な作業だ。たとえばタンブールは「テクニック」(技術)という言葉を排除すべきと考えた。「テクニックがない」と言っても、具体的に何を意味しているかわからないからである。

「KNVBでは、テクニックという言葉を使うのをやめて、『サッカーのアクション』という用語に統一しました。最初は慣れないかもしれませんが、すごく客観的にサッカーを分析できるようになります」

メインとサブの2つの動作と、4つの視点。

 KNVBにおいて、サッカーのアクションは次のように定義される。まず、目に見える人間の「動作」をメインアクション、目に見えない人間の「判断」をサポートアクションというふうに2つに分ける。

サッカーのアクション=【メインアクション】【サポートアクション】

【メインアクション】
オンザボール(パス、シュート、ヘディング、ドリブルなど)+オフザボール(フリーランニング、プレッシング、マーキング、カバーリングなど)

【サポートアクション】
選手個人レベル(サッカーインサイト:しっかり状況を見て正しいプレーを判断する力)+チームレベル(サッカーコミュニケーション:選手間の協調と理解)

 ここではメインアクションの方をさらに掘り下げよう。実際に選手個人の動作を分析するときは、4つの視点を用意する。

ポジション:動作時のポジショニングは適切だったか

方向:動作の方向は適切だったか

モーメント:動作を実行するタイミングは適切だったか

スピード:動作のスピードは適切だったか

【次ページ】 プレーのどの要素が悪かったかを徹底的に議論する。

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