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三浦隆司、ラスベガスで壮絶に散る。
“第2のパッキャオ”へ向け、評価は不変。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byUSA TODAY SPORTS/AFLO

posted2015/11/24 11:30

三浦隆司、ラスベガスで壮絶に散る。“第2のパッキャオ”へ向け、評価は不変。<Number Web> photograph by USA TODAY SPORTS/AFLO

実力者である両者が、まったく譲らず攻め合ったこの試合。「これぞボクシング!」という派手な展開となった。

三浦は“第2のパッキャオ”になれる可能性があった。

 パッキャオはマルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレスといったメキシコの有力選手を次々と破り、最終的にメキシコ系アメリカ人にしてボクシング界のスーパースター、オスカー・デラホーヤに勝利してその地位を不動のものとした。

 そもそも三浦がこのイベントに抜擢された理由は、エキサイティングな試合をするチャンピオンというだけでなく、世界戦でメキシカン4人をノックアウトしているという実績が評価されたからだ。

 三浦がアメリカ入りすると、メディアは早速“メキシカン・アサシン(暗殺者)”というニックネームをつけて日本の強打者を紹介した。つまり三浦は“第2のパッキャオ”に通じる道の入り口に立っていたのだ。そう考えれば考えるほど、実に惜しい試合だったのである。

 もちろん勝てば最高だったのだが、これで終わりというわけではない。敗れたとはいえ、評価を下げるような試合ではなかった。

 ここは強調しておく必要があるだろう。ドラマティックな試合内容は、現地のテレビ局にも、メディアにも上々の評判だったのだ。

 メインのコットとカネロの試合がやや盛り上がりに欠けたということもあり、今回のPPV放送の中で三浦の試合が最も会場を熱くしたのは間違いなかった。

 帝拳ジムの本田明彦会長は「再戦をさせたい」と話しており、三浦vs.バルガスの第二幕として、あるいは別のカードで三浦が再びラスベガスに登場する可能性は大いにある。

 今回の試合は、日本の世界チャンピオンがアメリカに本格進出する先駆け的な意味合いもあった。

 日本の若きエース、WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)と、日本を代表するボクサーのWBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志(ワタナベ)が、それぞれ来年は米国でファイトするプランを明かしている。三浦の奮闘で、彼らに集まる期待も大きくなることだろう。

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