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「二段モーション」の基準は審判次第!?
専大松戸・原嵩が陥った甲子園の罠。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKyodo News
posted2015/08/07 15:40
マウンド上の原の乱調に、集まったナインたち。二段モーションの問題は、WBCでも日本野球を大いに苦しめたが……。
結局は審判の「主観」なのだろうか?
千葉大会と甲子園で二段モーションに関する定義が異なるわけではない。大会本部に問い合わせると、こう見解を示した。
「ストライクゾーンと同じ。審判ごとに微妙に違う。その審判員が止まっていると判断し、相手を欺いているとみなしたら、それは反則投球になるということです」
つまり、「主観」だ。この試合で主審を務めた桑原は北京五輪の審判員を務めるなど、国際舞台の経験も豊富だ。二段モーションか否かの判断は、国外の方がはるかにシビアである。桑原からしたら、当然の判断だったに違いない。そうした審判員が存在するのも、甲子園ならではと言える。
専大松戸サイドとしても、決して想定外のことだったわけではない。原は「言い訳にはしたくない」と繰り返した。
持丸監督も言う。
「100分の1ぐらいは影響があったかもしれない。でも100分の1ぐらいでコントロールを乱すようじゃね。本人の力不足ですよ」
立ち上がりを苦手にしていた原にしては珍しく初回、三振を奪うなど幸先のいいスタートを切っていただけに、惜しまれる2回の乱調だった。