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大学生がプレミアのクラブで研修!
面接突破の最大の要因は「旅行」?
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byShinya Kizaki
posted2014/11/27 16:30
エバートンでは育成年代からGPSをつけて走行距離・スプリント数・速度・心拍数をモニタリングするなど、さまざまなデータを集めてシステマティックに分析している。
ドイツに触発され、イングランドが本気の改革に。
ドイツの育成改革の成功が、イングランド人を突き動かしたのだろう。彼らは本気だ。9歳から試合を動画で撮影して分析。15歳からはGPSをつけて走行距離・スプリント数・速度・心拍数をモニタリングする。各自のためのプレー集のビデオクリップが作られ、6週間ごとにそれが改善されているかもチェックされる。とにかくシステマチックだ。
今のところ中村がトップチームに携わる機会はないが、1年先輩のインターン生がトップチームの練習で働いており、いろいろと話を聞かせてもらっているそうだ。
「トップチームのマルティネス監督は、練習中にリアルタイムでGPSから得られる情報を画面でチェックしているそうです。プレミアリーグのクラブなので施設も豪華。本当に貴重な時間をすごさせてもらっています」
「もうしばらくヨーロッパで勝負しよう」
大学は3年生が最終学年。大学院に行くつもりはないため、中村は今シーズン一杯でエバートンを離れることが濃厚になっているが、この経験を生かしてステップアップしたいと考えている。
「将来はサッカーの指導者になりたい。そのためにも、まずはどこかのクラブに入ることを目指しています。今では英語力と順応力には自信がある。日本に帰って湘南ベルマーレやセレッソ大阪の下部組織で働いている先輩もいますが、もうしばらくヨーロッパで勝負しようと思っています」
サッカーと英語を武器に、21歳の日本人学生はさらなるステップアップを夢見ている。